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アイ・コンタクト―もう一つのなでしこジャパン(中村和彦)

アイ・コンタクト―もう一つのなでしこジャパンアイ・コンタクト
―もう一つのなでしこジャパン

(2011/10/26)
中村和彦

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映画「アイ・コンタクト」の監督・中村和彦さんのインタビューは、『We』167号で昨年掲載した。その後、私も映画を見にいった(中村さんのブログによると、今も各地で上映会がちらほらあるらしい)。

このたび本が出たというので図書館にリクエストしていた。届いた本を読んでみる。この人は、サッカーが好きやねんなーと思う。そして、読んでいると、また映画を見たいな~と思った。

2009年の夏、暑い暑い台北で開かれたデフリンピックに初出場を果たした"ろう者サッカー女子日本代表"。寄せ集めと言ってもいい状態でつくられたチームは、サッカーの経験や知識、技能の点でも個人差が大きく、「ろう」という面でもバラエティに富んだメンバー。

デフファミリーに育ち、手話を母語としてコミュニケーションする選手もいれば、聴者のなかで育ち、口話主義の聾学校や普通校で、口話を使ってきた選手もいる。高校生や大学生から、20代、30代、既婚の選手もいる。そこに、今どきの"若いろう者"の姿があるのだろうと思う。

初戦のイギリス戦で完敗し、続くロシア戦でも大量失点で敗れた選手たち。泣きじゃくる選手、茫然自失とする選手も多いなかで、井部選手は多くの刺激を受けていた。「同じろう者で、あんなに凄いプレーヤーがいるなんて」。
▼合宿での聴者チームとの練習試合では、ずっと負け続けだった。井部は、「声を頼りにできる聴者のチームには負けても仕方がない」と思っていた。ろう者である自分たちに対して、勝手に上限を設けていた。川畑菜奈や他の選手たちも負けることに慣れていた。今まで試合に負けて泣くことが一度もなかった菜奈だが、敗戦後、初めて涙を流した。
 ろう者だから負けても仕方がない、そんな考え方を同じろう者であるロシアチームが吹き飛ばした。(p.161)

「女だから仕方がない」「障害があるから仕方がない」「子どもだから仕方がない」…そんな「○○だから仕方がない」という考えを、他から言われるならともかく、自分の中に自分で植え付けてしまうのが、つらいし、こわいし、いやだ。そんな考えを吹き飛ばせる契機があるとしたら、いつなのか、何があれば自分の中に巣くったそういうのを引っこ抜けるのだろうかと、そんなことも思いながら読んだ。

映画ではふれられなかったという「人工内耳」のフットサル選手の話も、「人工内耳」のことはそれなりに知っていても、実際に手術を受けて装着してる人の暮らしがどうなのかはほとんど知らないので、興味ぶかく読んだ。

(12/18了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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