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まともな家の子供はいない(津村記久子)

まともな家の子供はいないまともな家の子供はいない
(2011/08/08)
津村記久子

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しばらく図書館で予約待ちしていたのがまわってきた。「父親がいるから家にはいたくない」というセキコを中心に描かれる表題作と、「くそったれの大学生の兄が帰省している家に走って帰ることに、忸怩たるものを覚え」る室田いつみを中心に描かれる「サバイブ」の二篇が入っている。セキコもいつみも、中学3年生。

家にいたくないから図書館で時間をすごそうとし、家に帰るしかないと思っても、どこに居ればいいんだろうと考えるセキコ。台所にでも居ればいいか、風呂を洗っているふりをして風呂場でもいい。セキコはいらだち、やけくそになり、「風呂か台所にしか居たくないのならそれは家ではないと思う」。それでも家に帰るしかなく。
できる範囲で母親の様子を観察しはじめたいつみは、ある日、母親を尾行し、黒い車に乗るのを見て、そのナンバープレートの番号をおぼえる。その車のナンバーが、近所の防犯運動の中心となっている片山さんのものであることも、後にわかる。母親の浮気の場面をおさえて、でもそれをどうしようもなく。

親に対しては今でもいらだつことがあるし、平穏な気持ちでいられたことのほうが少ないような気がするが、中学の2年や3年くらいの頃は、もっともっといらいらしてたなあとこの小説を読みながら思った。生殺与奪権をにぎられていて、反抗心は完全燃焼しきらず、それで気持ちがおさまらないような。

中学生だからこそ、ぐるぐるとうずまく感情にやられてしまう、そんなのがねちねちと書かれていた。ひとことでいえば思春期なのかもしれないが、そのうっとうしさ、自分自身でもどうしようもないことがらに苛まれてしまう様を、懐かしいような、思い出したくないようなぐちゃぐちゃした感情で読んだ。

(11/27了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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