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子どもたちを内部被ばくから守るために親が出来る30のこと―チェルノブイリの体験から(野呂美加)

子どもたちを内部被ばくから守るために親が出来る30のこと―チェルノブイリの体験から子どもたちを内部被ばくから守るために
親が出来る30のこと
―チェルノブイリの体験から

(2011/10/08)
野呂美加

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チェルノブイリへのかけはし代表、野呂美加さんの本が、図書館の新着棚にあったので借りてみた。チェルノブイリの原発事故で被災した子どもたちを、日本へ転地療養に招く活動をしてきた団体だが、今年から、その保養活動を休止せざるを得なかった。

▼今でも、放射能汚染に関して、
科学や医療がわからないことは多い。(p.19)

それでも、チェルノブイリの子どもたちを見てきた経験から、こういうことは避けたほうがいい、こういうことには気をつけたほうがいいと、子どもを守るために親ができることが30書いてある。「できること」と書いてあるが、これをなるべく全部やろうというのは、まじで大変やと思った。そんな風になってしまったのは、原発が動いてきたからで、動かすことにたいしてNOと行動できず、止められずにいたからなんやと思いながら読んだ。
東電の原発事故後、食品の放射能基準値は、3月17日以降、それ以前の基準値より大幅に緩められた。(厚生労働省医薬食品局食品安全部長名の通知「放射能汚染された食品の取り扱いについて」

▼日本の乳幼児は、原発の排水基準(国際的取り決め)よりも緩い基準の水を飲むことが許されました。国際法で定められた原子力発電所の排水基準は、1リットルあたりヨウ素40ベクレル、セシウム90ベクレルです。対して日本の水道水の暫定基準は、1リットルあたりヨウ素300ベクレル、セシウム200ベクレル、乳幼児は100ベクレル。…食品の基準は、厚生労働省が決めた「暫定基準値」では、チェルノブイリ事故を起こしたウクライナよりも高い。(p.13)

(ここの「チェルノブイリ事故を起こしたウクライナ」という書き方は、ちょっと違うんじゃないかと思うが。)

こないだ「人権の視点からみた東日本大震災」の講座のあと、参加していた小学校の先生から、学校に参考までとこんなのがまわってきてると文科省のつくっている「放射線」に関する副読本を見せてもらった。

私がとりあえず見たのは小学生用と、小学校の教師用解説のぶんだが、これがあまりに極悪で、びっくりした。放射線は自然界にもこんなにあるんですよー、だから大丈夫~みたいな話に始まり、放射線がいかに暮らしに役立つかをPRし、最後のほうに申し訳程度に「事故の際の心構え」が書いてあったりする。そこには「なるべく遠くに離れる」とか「正確な情報をもとに行動を」とか書いてあって、文科省が原発事故後にやってきたことは、どう考えても、その真逆のことのように思えるが、そんなことがぬけぬけと書いてあるのだった。

放射線等に関する副読本

中高生用もざっと見てみたところ、基本は小学生用と同じで、それぞれ科学的に詳しく書いてある程度。

現実的に、こんな副読本を使って授業をする「ひま」がないとその先生は言っていたが、使う「ひま」はないにしても、こんなもんが、こっそり、しかし堂々と公表されているのがおそろしい。

講座で話を聞いた小林圭二さん(元京大原子炉実験所)は、自然界にも放射線はあるから大丈夫なのだというが、自然界の放射線だって危ないのだと言っていた。だからこそ、ウラン鉱には近づかないよう、たとえばアボリジニのひとたちは教えを守ってきたのだ。それは、危ないものを避けるための人の智慧なのだと思う。

(11/25了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第40回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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