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昼の学校 夜の学校+(森山大道)

昼の学校 夜の学校+昼の学校 夜の学校+
(2011/06/11)
森山大道

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「+」がついてない単行本は図書館にあったけど、「+」がついた平凡社ライブラリー版を読んでみたくて、相貸でもいいしとリクエストしたら、珍しく購入されて届く。

森山大道は写真撮ってる人よなーというくらいは知っていたけど、それだけ。もっと若い人だと勝手に思っていたら、カバーの見返しには1938年生まれとある。死んだ母より、ひとつ年上だ。

2003~2005年におこなわれた講義=対話集をまとめた単行本に、2011年のインタビューと写真が加えられて、ライブラリー版になっている。

ついこないだ、「ユニバーサルミュージアム」のシンポで、「触れる写真展の挑戦」という真下弥生さんの報告を聞いたこともあって、森山の話のなかでも、写真というメディアがどういうものか、他のメディアと何が違うのかというあたりに興味がいく。

森山の言葉を拾ってみると、「写真」とは、こんなもの。
写真は光の移動とその影でしょう」(p.84)、「要は、時間を止め、光を写し、出来事を記録すること」(p.117)、「写真は断片性のメディアで、物語性のメディアではない、というのが日頃のぼくのスタンス」(p.224)、「写真て多重性のメディアだからね。永遠の洗い直しだからさ、世界の。何を見ようが写そうが、それらはすでに撮られてるんだよ」(pp.301-302)。
真下さんの「触れる写真展」では、立体コピーした写真を触ることと、言葉による写っている状況の説明と、写真を撮った人による話によって、「写真」に近づこうとしていた。光をとらえる視覚をもたない人が、光を写したメディアにアクセスするのを助けるのが触覚や言語による説明だとして、その経験はどんなものなのか、それは写真を「楽しむ」ものになるのか… そんなことを森山の本を読んでいても思った。

▼写真が言葉を挑発する。写真はその挑発の資料だってね。…言葉を写真によって覚醒させるということです。…写真って煎じ詰めれば状態や説明ではなくて、何かを指し示す記号だと思うから。…人間はどんなことについても必ずいったん言語化しますよね。いくら写真がイメージだとしても、イメージの近くだけでは認識にいたらないわけで、そこに言葉との互換性が必要になるわけです。映像と言葉の相対性も二元性も、どうあれ認識の一点でクロスせざるをえないというふうにぼくは思っているんです。…しかし、いくら言語とかいったって、言語だけでは支えることができない領域を映像、まあつまり写真が開示するわけです。(pp.243-244)

この話のあとに、森山は「自分の写真をとくとくと解説する人」のことをこんな風に言う。

▼何でそんなに写真にいきなり言葉をぶつけようとするのか分からないんだよね。…べつに自分の写真についてなんてしゃべらなくてもいいんだよ。見る人それぞれが、それぞれのコードとセンサーで読み取るわけだからさ。とくとくと説明するなんて、カッコ悪いよ。(pp.224-225)

言葉と写真については、中平卓馬という写真家について、森山がこう語っているところも気になる。

▼ぼくの目からすれば、中平卓馬はじつは写真を撮ってるんじゃなくて彼の持つ抜きさしならない言葉を日々飽くことなく拾っていると思える。もしかしたらそれは、ものすごい言葉なのかもしれないという勘繰りもできる。(p.295)

世界を切り取り、認識するには、たぶん言葉が必要。そのことと、「写真」という光と時間を止めたメディアを見ることと、、、、

森山は、子どもの頃に豊中にいたらしい。「朝鮮戦争の頃は…いまの大阪空港のすぐそばにいて、しじゅう基地の飲み屋街に遊びに行っていたし、校舎の窓からは朝鮮戦争へと出撃する戦闘機が四六時中見えるわけです」(p.290)というなかで育ったと書いている。1938年うまれの森山は、朝鮮戦争の頃は小学校の6年~中学生だ。そして当時の伊丹空港は、米軍の接収下にあった。

(11/2了)

※森山大道のオフィシャルサイトがあった
http://www.moriyamadaido.com/
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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