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地に舟をこげ Vol.3―在日女性文学(在日女性文芸協会)

地に舟をこげ Vol.3―在日女性文学地に舟をこげ Vol.3―在日女性文学
(2008/11)
在日女性文芸協会

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『地に舟をこげ』は、康玲子(カン ヨンジャ)さんの『私には浅田先生がいた』が掲載された文芸誌として知った。いまVol.5まで出ていて、ときどき借りてきて、読む。

Vol.3の特集は「なぜ彼女たちは書くのか」という創作活動をする在日女性へのアンケート。康さんも含む14人の女性が答えたそのアンケートと、巻頭小説の「土」(李優蘭)、第一回「賞・地に舟をこげ」お祝い会の報告記事を読んだ。
李優蘭(イ ウラン)の「土」の主人公は、夫とともに小さな焼き肉屋を切り盛りし、子どもを育てながらひたすら働いてきた。その店に少しばかり手を掛けようと、定期預金を積んできた信用金庫に出向いた折、"規則"だから国籍が日本でない人間には貸せないと断られる。

そんなあからさまな差別にあって、主人公の脳裡には、チョウセンジンカエレ、野蛮人帰れとぶつけられ、「こいつ朝鮮臭いから消毒しようぜ」と同級生からクレゾールをぶっかけられた小学校時代の記憶がよみがえる。苦労して働いてきたなかで、温かいものを感じる親切にもであってきた。それでも、あの小6のときのクレゾールの臭いの記憶は容易に消えない。

私たちは野蛮人なのか。なぜ日本にいるのか。北海道でひとり暮らしをしていた祖父に教えられた歴史と、そのときにかいだ土のにおい。強制連行で炭鉱につれてこられ、半殺しの目にあいながら働き、脱走して生きのびた祖父は、こう語ってきかせた。

「人はタレも、生まれてくる国を選ぷことはテキないけトなあ、トコテ生まれても、トコテ生きても、この土の上テハ、みんな同チ兄弟なんタよ」

康さんの本もまた読みなおしたいと思った。


We158号もう3年ほど前になるが、康さんに本のこと、その前後のことをうかがったお話を『We』158号に掲載した。

【お話】康玲子さん
私には浅田先生がいた
―「在日」の「女性」として生きること

http://femixwe.cart.fc2.com/ca11/2/p-r11-s/(在庫あり)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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