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演歌よ今夜も有難う―知られざるインディーズ演歌の世界(都築響一)

演歌よ今夜も有難う―知られざるインディーズ演歌の世界演歌よ今夜も有難う
―知られざるインディーズ演歌の世界

(2011/06/25)
都築響一

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この本は、8月にいちど途中まで読みながら、返却期限までに読みきれずにいちど返したのだった。入れ替わりに都築響一の新しい本『珍日本超老伝』が図書館の書架にあったので借りてきたけど、こっちも途中までぱらぱら見ているうちに期限がきていったん返却。

もういちど『演歌よ今夜も有難う』を借りてくる。表紙のド派手なナリのおばちゃんが、じつにきもちよさそうに歌っている。「わたし、性格が素っ頓狂なんで、とにかくお客さんを驚かせるのが好きなの!」というみどり○みきさん。カラオケ喫茶のママ。

インディーズの世界は、べつにロックやポップだけでなくて、演歌の世界にもあるのだ。ただ、演歌の場合は、インディーズでCDを出すといっても、ロックやポップに比べてオカネがかかるという。

▼自分で曲と詞を書いて、録音もして、ジャケットも自宅のプリンターで印刷して、その気になればいくらもかからずCDができてしまうロックやヒップホップとちがって、演歌や歌謡曲のCDを自分で作るには、数百万円単位の予算が必要になる。作曲家の先生、作詞家の先生、編曲家の先生、バンドマン、ジャケット撮影のカメラマン、それにCDのプレス代に、発売を委託するレコード会社への手数料(ポップスとちがって、歌謡曲の自主制作盤をきちんと扱ってくれるレコード屋は皆無に近いから、発売元のレコード会社がないと、現場で手売りするぐらいしか販売方法がなくなってしまう)…。たとえレコード会社が契約してくれたとしても、実態は「プレスした分、全部買い取ってください」という、ほとんど自主制作とかわらない場合が少なくない。(pp.18-19)

老人ホームや健康ランド、地元の夏祭りやレコード店で、時には路上で歌う、それぞれの人生が都築の筆で描かれる。窓際サラリーマンのかたわら歌う人、駅前で毎日歌う人、筋ジスを発症し車イスで歌う人、反戦をうったえて歌う人…。
▼売れないことを「わかってない業界」とか「オレらのセンスについてこれない時代」とかのせいにするロック/ミュージシャンは、いくらでもいる。そういう"売れないアーティスト"のうち、いったい何人が、売れないまま20年以上も、自分でクルマを運転しながら日本中で歌ってきただろうか。…
 だれかのために歌い、走り、しかしだれともちがう時間とスピードに生きている。"オン・ザ・ロード"という言葉は、こういう人のためにあるのかもしれない。(p.333)

都築響一は『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』以来、ときどき見つけて読んだり眺めたり。『夜露死苦現代詩』をまた読みたくなってきた。次はもういちど『珍日本超老伝』を借りてこよう。

(9/29了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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