読んだり、書いたり、編んだり 

図書館戦争シリーズ1~6(有川浩)

図書館戦争 図書館内乱 図書館危機 図書館革命 別冊図書館戦争I 別冊図書館戦争II

4年前に読んだシリーズが、文庫になった。4年前は、山のようにリクエストがついている本を同居人が次々に図書館で予約して、まわってきたのを横から借りて読んだ。しかし、そのとき読んだのは4巻の『革命』までで、作中作の『レインツリーの国』はその後読んだけど、別冊は(同居人は本屋でちょっと立ち読みしてたが)私は読んでいなかった。

このたび文庫になったのを、同居人が里に帰ったときに本屋で買ってきたあと、私も横から借りてまた読む。文庫化のボーナスとして、アニメ化されたときのDVD特典として書き下ろされたショートストーリーが各巻末に入り、著者の有川浩×児玉清の対談、有川浩インタビューなどが収録されている。

同居人が1冊読んでは次を買い、また次を買い、それを私も横から借りて、単行本のときには読んでなかった別冊もあわせ6冊をこの1週間ほどのあいだ読んでいた。
「図書館の自由に関する宣言」(どこの図書館でも、入り口あたりに掲げてあるはず)から着想した小説は、近未来の(今読むと「2019年」て、もうすぐやん)図書館が「図書館の自由」を守るための武装した図書隊をもつ時代を描く。その武装は、公序良俗を乱す表現を取り締まる「メディア良化法」の成立と、その法を盾に本や雑誌を"狩る"良化隊と図書館との抗争の果ての姿。図書館がズダボロになり、利用者や図書隊員に死傷者が出ることもある銃撃戦さえ起こる時代。

…という図書館や本のネタに、どちらかといえば興味をもって、私はこの小説を読んでいたが(参考文献には『ず・ぼん』などもあがっている)、この小説は"ベタ甘"とか書いてある恋愛モノでもあるのだった("本と恋のエンタテインメント"とも書いてある)。

"ベタ甘"部分は、ヘテロばりばりで、結婚=ゴール風で、ちょっと辟易するところもあるが、レファレンス、おはなし会など図書館のサービス部分の描写、さらには聞こえない(聞こえにくい)利用者の話もあって、そのあたりは4年ぶりに読みながら、図書館は今どうなんか、これからどうなるんかと思った。「メディア良化法」ばりの法律や条例が、静かにできてしまっている時代になっているなあとも思う。

4巻の『革命』は、原発テロの発生と、そのテロの手口に酷似しているとされた著作内容のために、表現の自由、著作の権利を奪われようとする作家・当麻の話が出てくる。図書隊は、良化隊が確保しようとする当麻の身柄を守ろうとする。作家協会は出もや討論会、読者による書名活動をおこなっている。けれど─

▼本を読まない人々にとっては、それも他人事だろう。何をあんなに必死になって。また原電テロがあったら恐いじゃない。テロを防ぐためなら作家の一人くらい─ (p.147)

この本筋の話の糸口になった、戦闘ヘリがつっこんだという敦賀原発の3号機、4号機は、小説のなかでは「安全装置の作動によってすぐ停止しました」で終わっているが、そんなわけにはいかないことは、福島原発の例を見て分かる。でも、4年前に読んだときに、私はそのことが分からなかった。

(8/22~29了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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