読んだり、書いたり、編んだり 

ニッポンの書評(豊由美)

ニッポンの書評ニッポンの書評
(2011/04/15)
豊由美

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トヨザキ社長がかなり毒舌の書評家だということは、『文学賞メッタ斬り!』とか、『百年の誤読』みたいな本で、なんとなく知っていた。ものすごく本を読んではる人なんやなーということも。

こないだ図書館でカードいっぱい借りたあとに、新着コーナーで見かけてぱらぱら…おー読みたいと思い、次の日に読んだ一冊を返しにいって、これを借りてきた。

私が今のところ定期的に書いてる本ネタ(「乱読大魔王日記」@『We』、「頭のフタを開けたりしめたり」@月刊『ヒューマンライツ』)は、自分でなんと呼ぶのがええんかなーと思いつつ、だいたいは「本の紹介」と言っている。ひとからは「書評」と言われたりもして、(書評、な~…書のことを書いてはいるが、アレは評なんやろか)などと思うこともあるのだった。

書評って、何?
書評と、批評とは、何がちがうか?
おそらく「書評」論は、「教育」論に似て、論者の数だけあるような気がするが、トヨザキ社長は、書評は「本を読む前に読むもの」、批評は「本を読んだあとに読むもの」だという。

つまりは、書評ってのは、それを読んで「わ、この本よみたいわ~」と思うとか、本屋に買いに走るとか、あるいはネット注文ぽちっとしてしまうとか、図書館にリクエスト票を出すとか、ないしは「これは別に読まんでエエな」と思うとか、そういう手がかりになるもの。それに対して「批評」とは、「ははぁ~、へえええ、この話のここにこんな仕掛けがねえ~」と自分が読んでて気づかんかったことに気づいたり、「ふーん、この本はあの本やらアレやらとこんな関係があるんか」と知ったり、、、というものらしい。

ついては、この本でトヨザキ社長が熱く語る「書評」には、"ネタばらし"問題というのがある。ミステリーの犯人やトリックは言わずもがな、文学作品のストーリーやプロットなども含め、作者が読者のために仕掛けた「ストーリー上の驚き」を奪ってはいけない、本を読んで初めて知る愉しみを奪ってはいけない、と、この本を書いた時点でのトヨザキ社長は言う。

小説における"ネタばらし"的なものになるのかどうか、これまで私が書いた「本の紹介」で、「かんのさんが書いたのを読んで、読んだ気になったわー(だから、本そのものは読んでない)」という反応を受けたことが何度かあった。

私としては、その本がおもしろかった!だの、ここがスゴイねん!だの、その本を紹介しようと思うだけの動機がある先には、同じ本を読んだ人としゃべってみたいな~という気持ちもけっこうあるので、「読んだ気になった(だから、本は読んでない)」というのは、ちょっとビミョウで、そんなつもりで書いたんとちゃうねんけどなーと思うことがあった。

この本には、トヨザキ社長自身の書評とともに、他の方々の書評も複数引かれている。おもしろいのも、なんじゃこりゃーと思うのもあったなかで、うおう、さすがだと思ったのは、トヨザキ社長も「まいった!」と書いていた、平田俊子による『ばかもの』評、850字(pp.76-78に掲載)。私は平田俊子の書くものにすでに好意があるので贔屓目もあるだろうが、私もこんなん書いてみたいなーと思った。そして、850字で書く練習をしてみようと思った。

巻末の、トヨザキ社長と大澤聡さんの対談のなかで、ここがよかった。
大澤 …読書する人たちの側に立った表現者。書評家ってそういう存在だと思う。表現者なんだけれども、基本的には読者の側に立っている。つまり、読者として書くんですが、それがひとたび読者に読まれると、表現者の位置に移行してしまう。面白い位置ですよ。
豊 そう。誰だって、本を読んでいるあいだは読者なんですよ。だからこそ、読むという行為が一番大事。(pp.220-221) 

読まないで書く、という凄い人もあるらしいが、「読む」のは前提やろ~

(8/17了)
 
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Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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