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ひとりじゃない 自分の心とからだを大切にするって?(遠見才希子)

ひとりじゃない 自分の心とからだを大切にするって?ひとりじゃない
自分の心とからだを大切にするって?

(2011/03/20)
遠見才希子

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知識を上から押しつける"教育"じゃなくて、いっしょに考えよう、仲間の視点で学び合おうという「ピアエデュケーション」を知って、著者のえんみちゃんは大学生の頃から、中学校や高校で話し続けてきた。「私自身が中高生のときに聴いておきたかった、きれいごとではない、本音とリアルを語っている」というその活動を、学生生活の終わりに、一冊にまとめたのがこの本。

ピアエデュケーションとかピアサポートとか、そういうのが流行りになりつつあるけど、その多くは大人がつくった台本を大人の代わりに若者に読ませる、といったもの、ただ大人の代わりに知識を説明しているだけでは、ほんとの「ピア」じゃない、とこの本の監修者でもある岩室先生とのやりとりを経て、えんみちゃんは「自分の言葉で語る」ことを始める。
えんみちゃん自身が「寂しいからとりあえずセックスしてた」。寂しさを恋愛が埋めてくれていた、セックスは言葉のいらない楽なコミュニケーションだった、という。

ある学校では、「コンドームは100%安全ではない、だから中学生はセックスしてはいけない」と教えてくださいと頼まれた。えんみちゃんは考える。私も中学生にはセックスしてほしくないと思ってるけど、頑丈でつけるのも簡単で100%安全なコンドームがあったら中学生のセックスはOKなのか?そんな安全コンドームがあったとしても、私は中学生にセックスしてほしくない。

自分の経験もいろいろと思い出して考えるえんみちゃん。自分の失敗も含めて、中高生に伝えていく。

「妊娠して中絶するために、初めて産婦人科に来る女の子を
 病院のなかで待ってるのでは手遅れだから、
 私は社会にも出て行って。性のことや避妊のことを伝える産婦人科医になりたい」(p.135)

エイズの啓発イベントにもかかわってきたえんみちゃん。「エイズは誰の問題だろう?」というのが大切だと書いている。
▼HIVに感染している人だけが当事者なのではない。
 セックスをする人、これからセックスをする人、つまり、私たちみんなが当事者なのだ。(p.180)

"あっち側の、誰かの問題"ではないのだと、これは自分の問題なのだと、えんみちゃんの語りは伝えようとしてきた。その思いは、きっと届いてきたのだと思った。本の完成を急いだのか、惜しむらくは校正の甘さ。

(8/14了)
 
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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