読んだり、書いたり、編んだり 

文章心得帖(鶴見俊輔)

文章心得帖文章心得帖
(1980/05)
鶴見俊輔

商品詳細を見る

▼自分の文章は、自分の思いつきを可能にする。それは自分の文章でなくても、人の書いた文章でも、それを読んでいると思いつき、はずみがついてくるというのはいい文章でしょう。自分の思いつきのもとになる、それが文章の役割だと思います。(p.26)

原体験と体験の違いを述べたくだりで、「原体験は絵の具だ」というのが印象的。

▼私にとっては原体験を言わないことで、自分が経験するほかのあらゆる体験にかぶさって、それを解釈し色づけるもとになる。もとの体験、たとえば自分にとっていちばんいやだった体験は、一種の絵の具みたいになって、いま見ていることを色づけしています。…
 あらゆる体験が絵の具になるわけではないが、絵の具になる体験を、われわれは一人一人もっています。そうすると、どの体験について書いても、この絵の具を使うというふうになると思う。その絵の具そのものを書いたらどうなるか。絵の具そのものが書けるか、という問題があって、これは表現のなかの、実現しにくい領域です。(pp.74-75) 
大人が文章を書くときに、「紋切型の言葉をつきくずす」ことが大切だといい、文章の理想は「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」だという鶴見。この本は、文章教室のもようをまとめたものらしい。参加者に求めた宿題(書評を書いたり、自分の見聞を書いたり、目論見を書いたり)を俎上にあげ、さまざまな参加者が書いたそれらの文章とともに、鶴見が講評をくわえた過程も収録されている。手を入れると、こんなふうに文章は変わるのかと思う。

この本、たしか昔読んだような…とさかのぼってみると、10年前に読んでいた。表紙にはなんとなく見おぼえはあるものの、中身はまるで初めて読むような、新鮮な気持ちで読むことができた(まったくもっておぼえてなかった)

(8/13了)
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/4040-c606dc48
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ