読んだり、書いたり、編んだり 

白いしるし(西加奈子)

白いしるし白いしるし
(2010/12)
西加奈子

商品詳細を見る

こないだ読んだ『ワーカーズ・ダイジェスト』の集英社特設ページで、津村さんと西加奈子さんの対談が載っていて、なんか読んでみようと西さんの本を検索。いちばん新しい小説は予約がたくさんついてたので、ひとつ前の昨年末に出た小説を借りてくる。

何の話かよくわからんけど、表紙は白い絵の具をしゅっと筆で塗ったような装幀になっている。タイトルに「白」と入ってるだけあって、白っぽい話なんかなーと表紙をめくったら、扉はぐりぐりと色を塗り込んだような雰囲気の絵だった。なんやえらい表紙と扉の感じがちゃうなーと思いつつ読む。
「白い地に、白い絵の具が、すう、と引かれている」(p.13)絵が冒頭で出てくる。その絵を描いた間島と、その「しろい」絵を見て、この絵が好きやと思う夏目と、主にその二人の話で物語はすすむ。

表紙の白いのは間島が描く絵をあらわしてて、扉の色が塗り込んであるのは夏目が描く絵をあらわしてんのかなーと思いながら読む。見たまんま絵を描く、ということについての二人の会話が印象にのこる。

▼「絵もそうやないですか。見たまんま、いらんフィルターなしで描くのんは、難しくないですか。」
 「ああ、うん、難しい。自分の目だけで描きたいのに、どういう風に見られるか、ていう意識が入ってしまうってことやんな。」
 「そうです。絶対に、自分の目だけで描こうと思うんですけど、どっかにあるんでしょうね。人に見せるからには、必要なことなんですけど、でも、筆を下ろす瞬間だけでも、絶対に自分だけでおりたい。」
 …(中略)…
 「そうやんな。そう。邪魔するな、て思う。誰にやねん、て感じやったけど、そうやわ、その、いらん目のことやわ、自意識のこと。」
 「邪魔するな。うん、分かります。」
(p.51)

"筆を下ろす瞬間だけでも"という間島の言葉に、「自分」て何やろとか、「どういう風に見られるか」を意識するときっていつやろとか、そんなんを思った。

(7/16了)
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/4003-50998d73
失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。32歳。気づいたら、恋に落ちていた。軽い気持ちだった、知らなかった、奪えると思った。なのに、彼と関係を持ってから、私は笑えなくなった。恋...
2012.01.17 18:50
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ