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そういうものだろ、仕事っていうのは(重松清、野中柊、石田衣良、大崎善生、盛田隆二、津村記久子)

そういうものだろ、仕事っていうのはそういうものだろ、仕事っていうのは
(2011/02/22)
重松清、野中柊、石田衣良、大崎善生、盛田隆二、津村記久子

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もとはどれも日経の電子版に載った小説らしい(日経電子版をのぞいてみたが、どこにこういう小説が載っていたものか、いまひとつわからず)。こないだ元同僚さんと会って、最近読んだ本の話などしていたときに話に出た一冊。「津村さんのが、らしかったわー」というのを聞いて、それは読んでみたいと借りてきた。津村さんの小説がまだ2冊くらいしか本になってない頃から、私はこの元同僚さんと、おもしろいおもしろいと読んでいた。

一番うしろに収録されてる津村さんの作品「職場の作法」から読む。最初の、田上(たがみ)さんの話から、ぐっと心をつかまれる。「社内で女がやっている仕事を軽んじる傾向にある」人たちのこと、「そのくせ、仕事を渡せば、期限すら示さなくても、私たちが私たちでも使えるような簡単な魔法を使って、なる早で作業を仕上げるものだと思い込んでいる」人たちが社内に多いこと。

私は津村さんの小説を読みながら、転々と移ってきた「あの職場」「この職場」を思い出し、(津村さん、ほんとにあなたは、そういう人たちのことと、軽んじられがちな女たちがどんなふうに仕事をしているかを書くのが、うまい!)と思う。
田上さんが、ときどき生真面目にみつめているタイトルなしのノートが、ある日、無造作に机に置かれているのを、「私」は誘惑に耐えかねてめくってみた。そこには田上さんの仕事への心構えが何項目か記されていて、真ん中あたりにはこうあった。

・どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保ってると自分が納得できるように振舞うこと。
・不誠実さには適度な不誠実さで応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと。
(p.276)

津村さんの連作短編を読んだあと、一つずつ前へさかのぼりながら、するすると読んでしまう。「そういうものだろ」という仕事の断面が、それぞれの角度から描かれる。「そういうものだろ」と、「そういうものなのか?」の間をうろうろしながら読んだ。

(7/2了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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