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使える9条―12人が語る憲法の活かしかた(『マガジン9条』編)

使える9条―12人が語る憲法の活かしかた使える9条
12人が語る憲法の活かしかた

(2008/04/09)
『マガジン9条』編

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鎌仲ひとみさんが出てくる本だったこともあり、借りてきて読む。『マガジン9条』は、ウェブマガジン。私もたまに見る。

この本は、「9条の使いかた、活かしかた」について、様々な人に聞いた2006~2007年のインタビューをまとめたもの。12人の「使いかた、活かしかた」の話は、学校の社会の時間に習ったような9条の話より、ずっとおもしろくて、そして「そんな使いかた、活かしかたもあるのか!」「そんな風に考えていけるのか!」と目の前がひらかれるようで、じつによかった。

※12人の発言は、本になったものとは少し異同があるが、もとになったインタビュー「この人に聞きたい」のバックナンバーでも読める。※
非戦を選ぶ演劇人の会のピースリーディング「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」の脚本を書いた永井愛。ここのピースリーディングについては、前に『はらっぱ』で、「遠くの戦争 ~日本のお母さんへ~」の作者・篠原久美子さんのことが載っていたり、その前にも上演作品の脚本を読んでみたりしたことがあって、永井愛のこんな作もあったんやと思って読む。

「国家戸締まり論」が護憲派の弱点になっている、「家にも戸締まりが必要なように、国にも戸締まりが必要だ」と言われると、一瞬なるほどと思いそうになるが、そんなのに騙されてはいけない、そもそものたとえが間違ってることを指摘しなければ、というのを読んでいて、私もこんなん急にまくしたてられたら、なるほどと思ってしまうかもしれんと思った。ヘンなたとえ話には、「軍備を持たないというなら、あなたは夜道で暴漢に襲われても抵抗しないんですね」てなのもある。

騙されたらいかんと思うが、うまい反論もなかなか難しい。

軍備を持たないと危ないんや、襲われてもエエのか!という論調はあっちこっちにあるなと思うが、その逆に軍備を持ったらこんな危ないんやという「9条を捨てて、軍備を持つことのリスク」は十分に語られてないと思うと鎌仲さんは語る。

軍隊を持たない、平和を標榜している国だからこそ、テロに襲われることもなかったのではないかと。
▼だいたい、55基もの原発を無防備に海岸線に並べておいて、本当に武装する気なのかと思いますよ。1基の原発がやられたら、1000発分の核弾頭が爆発するのに相当するのに。(p.55)

その1000発分が爆発したに相当する状態に、いまあるのだなと思う。

伊勢崎賢治さんの「外交力のなさを、9条のせいにするのはフェアじゃない」には、軍事というものについて自分が全然知らへんことをつくづく知る。軍事ダメ、自衛隊ダメと頭から否定するのではなく、軍事というものを直視せよ、その意味をきちんと理解したうえで、何が必要なのか判断することが大切だと伊勢崎さんは言う。「そうした姿勢があってこそ初めて、非武装による平和構築が可能になるんです。」

▼…アフガニスタンで軍閥の武装解除が成功したのは日本がやったからです。その責任者だった僕はよく、軍閥に「日本の指示だから従う」と言われました。彼らは日本が経済大国であるとともに、戦争をしない人畜無害な国だとちゃんと感じ取っている。この日本人の「体臭」は9条が培ったものです。なぜそれをもっと利用しないのか。国際紛争の調停に、日本ほど向いている国はないのに。(p.78)

「憲法」や「戦争」をテーマにたくさんの人にとどく言葉を見つけていこうという天野祐吉の呼びかけに、さまざまな"社会問題"についても同じやなあと思う。たくさんの人に届く言葉で、問題を語れずにいることを棚に上げて、「市民の意識が低い」とか「関心のない人が問題」と言うほうが問題。

(6/8了)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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