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Dearキクチさん、―ブルーテント村とチョコレート(いちむらみさこ)

Dearキクチさん、―ブルーテント村とチョコレートDearキクチさん、
―ブルーテント村とチョコレート

(2006/10)
いちむらみさこ

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いちむらさんのこの本は、まちがえて読んだつもりになっていた。前に、同じキョートット出版の『このようなやり方で300年の人生を生きていく』を読んだのと、いちむらさんの話は『We』でも掲載したせいか。

公園で暮らし、2年が過ぎて、キクチさんに出会ったいちむらさん。

私には、キクチさんが世の中で一番、
キラキラステキに見えた!
きっと、今のキクチさんもステキなはず。

公園の生活から旅立ち、
どこかで暮らすキクチさんへ、手紙を送る。
(p.3)

Dearキクチさん、と書かれた手紙。7月から11月のあいだ、9通の手紙。いちむらさんが書く手紙のなかから、キクチさんの姿が見えてくる。
私が、カッコイイと思ったキクチさん。

いつものゴミ箱を開けて収集しているキクチさんに、公園に住むある若者が「そういうことは、やめろ!」と言ったとき、「バカやロー! 仕事のじゃまをするな!」から始まり、怒りを表現し、最後に「ブタヤロー!」を連発して感情を出しきった。その様子を書きながら「私だったら」と綴るいちむらさんの手紙に、私自身もいちむらさんのようなフリをしてしまうんやろうなと思った。

▼その時の怒りを逃さない「バカやロー!」は、相手の中を突破して、冷静さをうながすのですね。実際に、彼はその後、ゴミを収集する事に何も口出しをしませんでした。
 きっと私だったら、返答を求めていないのに、「なぜですか?」などと言って民主的に話し合うフリをしてしまいそう。こっちが冷静になることはないのですね。(p.45)

キクチさんの方法を、いちむらさんは「無駄にケンカをするのではなくタイミングを逃さずケンカをし、後はスッキリする。そうして近所の人達と一定の距離を保ちながら地域生活をするという方法」と書く。

タイミングを逃さずケンカ!
私自身はそれがほとんどできず、スッキリせず、あとあとまで尾を引きがちだ…と、我が身を振り返って思う。

(5/21了)

※いちむらさんインタビュー「がんばれば楽になれる?─ブルーテント村に住んで」は、『We』160号(特集:アートの力)に掲載。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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