FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

謎のプロジェクト(I)

 12時間労働の翌日、週末ということもあって、眠くてダルイ。午前中は情報処理室で本の整理を続ける。昼から研修にでかける。「さまざまな来館者への対応」というようなテーマで、今回は「聴覚障害者の理解」。講師は、同僚Oさんである。Oさんが聾者の代表というわけではないにせよ、同じように職場で過ごしているつもりでいて、おそらくハッキリと違うことがあるのだろうと思いながら話を聞く。というより、手話を見る(手話通訳の片が同時通訳をしてくださるのをもちろん聞きながら)。
 Oさんは声を出して話をすることができるし、口の読みとりもできるから、ついそれに頼ってしまって、Oさんと“話す”といってもなかなか単語レベルしか使えずにいる。
 今日のOさんはふだん見たことがないようなスピードで、手話で話し続ける。(これが“ネイティブ”の速さかー)と思いながら、見る。

 「なぜ笑ってるのか分からない」「電話なら5分ですむことが、FAXでのやりとりだと時間がひじょうにかかることが多い」「子どもが泣いているかどうか、そのことがわからない」などの、“聞こえないことで困るだろうと思うこと”のリストアップで、Oさんは“情報があるかないか、そのことが分からない”と言った。

 また、「口話」の苦労も大きいと思った。Oさんと話すときに、顔を見てなるべく大きく口を動かしてゆっくりしゃべる、ということに頼ることが多いが、情報源が“口の形”である以上、口の形が同じになるコトバは「その次にどんなコトバがくるか」を待ちながら、読みとっていくことになる。
例えば
  たばこ
  たまご
  なまこ
は、口の形が同じ。「すう」ときたら「たばこ」かな、「おいしい」ときたら「たまご」か「なまこ」かなと思案する。けれど「たばこがおいしい」とか「たまごをすう」という表現も実際にあるわけで、読みとりには相当のエネルギーが要るのだとあらためて思う。

 筆談をすればいい、という発想も注意を促された。「聞こえる人の場合を考えると、まず聞いて、話して、それから書くことをおぼえる」のだから、「話せても、書けないという識字の問題があるわけで、書くことはひとつ高い段階で難しいことなのだ」という説明に、そういわれたらそうやと思う。
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ