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御一新の嵐 日本の百年1 (鶴見俊輔)

去年、ちくま学芸文庫で順に出た「日本の百年」シリーズの1冊目。
ゆっくり読みたいなーと思いながら、各巻を図書館でときどきぴらぴらと見ていた。

何度も図書館で各巻をさわって一年がたち、ようやく1巻を借りてきた。

これがおもしろい。
漂流者の話から始まる。

「移動」の話、「うごく」話だ。
もちろん、漂流とは、意志に反して流されるということだけれど、そうして流され、もといた場所からうごいた先で見聞きしたものごとは、どこかから伝わっていくものらしい。

漂流が、自由とつながっていると鶴見は書き出す。

▽…漂流者は自然の力によって国の外におびき出されると、それからはいやおうなしに、鎖国下に育てられた日本のこまごました習慣や礼儀作法から自由になり、あるいは海上で自分たちの社会をつくり、あるいは海外の人たちと国を離れたはだかの人間として接触せざるをえなかった。

 漂流民と生活と思想は、日本における民衆の自由の歴史の起源とふかいかかわりがある。幕府は漂民の存在を国内の民衆に知らせたがらなかった。外国の政府がつれてくる日本の漂民を受け入れまいとしたことさえある。しかし漂民の存在は幕府がかくしてもやはり知れていった。そしてそれらは、広く海外の世界に推理をめぐらしていた日本の自由思想家たちに、当時の日本政府を批判する書物を書かせる現実の動機となった。…(p.11)

漂流民というのはけっこう多かったらしい。

「日本近海を吹く季節風が、幕府が鎖国政策をとると否とにかかわらず、日本から相当数の漂流民を規則的につくり出していた。(p.12)」というのだ。

宮本常一が、旅する人たちが相当数いたと書いていたことを思い出させる。みずから旅に出る人たちもいた。そして、流される人たちもいた。

そうした移動が自由とつながっている、という話に心ひかれる。
私のすきな鶴見の筆だというのもあるが、この本、やはり買うかなー と思いながら読む。

石井研堂が「漂流研究者」と書いてあるので、そんな本もあるのか!と初めて知る。
石井研堂には、同じちくま学芸文庫に『明治事物起源』というのがある。いろいろな巻があって、私もどの巻だったか、1冊か2冊持っている。
とにかく、いろいろ調べるのがすきだった人らしい。

日本の百年〈1〉御一新の嵐日本の百年〈1〉御一新の嵐
(2007/05)
鶴見 俊輔

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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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