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類型的概念をつくるということ(I)

 いま図書館でリクエストしまくった本の半分ほどは、たしか藤森照信の『建築探偵、本を伐る』で言及されていたもの。古谷雅樹の『植物的生命像』(講談社ブルーバックス)も、マコーレイの『道具と機械の本 てこからコンピューターまで』(岩波書店)も確か藤森本にあった。

 ブルーバックスの本はたまに読むが、10年余り前のこの本は何かのツテがなければ手にとることもなかったと思う。やや黄ばんだ本を、(これは読まずに返すかも)と思っていたが、通勤の供に持って出てみると(やはり電車で読むには新書か文庫がよい)おもしろくて読んでしまった。

▽類型的概念とは?
 現在、地球の上には百万種を越えるたくさんの違った生物が知られている。これらの個個の生物について、具体的な描写をすれば、時代や場所やことばを越えてだれにでもよく伝わる。そうはいっても百万枚の異なる生物を絵を並べて「これが生命の絵だ」というわけにはいかない。ところが、人間の頭脳には、おもしろい働きがある。つまり似たものをまとめて、具体的に存在するものから離れた『概念』をつくる能力である。
 図3は、その思考のプロセスを説明している。つまりイネとムギとタケはよく似ているから仲間としてまとめてイネ科植物とよぶように、しだいに抽象化を進めて、高次の概念を形成していくのである。ここでおぼえておいてほしいことは、よく似ているとか、あまり似ていないという判断の基準となった性質は、植物のもつ数え切れない多くの属性の中から、人間の頭脳が主観的に価値評価して選び出している点である。
 人間はとかく独断的な生き物だから、一度このような知的作業で『概念』が形成されると、あたかもそれが唯一無二の真実と思ったり、客観性の高いものと思いがちである。しかし、仲間のまとめ方は、それぞれが持っている性質の評価によって、いかようにも変わることは、いうまでもない。生物の種類に限らず、物でも知識でもたくさん集積してくると、図3と同じような方式で整理されることになる。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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