FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

スッポン鍋(III)

 Ka女子大の明日の授業をにらみつつ、久しぶりに松本修の『全国アホバカ分布考 はるかなる言葉の旅路』(太田出版)を読む。『アホバカ分布』を読むのは、もう三度目か四度目だ。美術館見物の帰りの電車で柳田國男の『毎日の言葉』(新潮文庫)も読んだところで、コトバの変化は不思議な規則性をもっていて、オモシロイとつくづく思う。そして、それを調べ、記録し、考察していく深さ。

 柳田國男は「ヨマイゴト」という項でこのように書いている。

▽・・・はっきりそれだとまでは私には言い切れませんが、中国地方には今でもヨーマという語があるのです。・・・その語の感じはどういうことであるのか、広島県出身の方たちに思い出していただきたいのですが、私は是を「ようもまァそんなことが言える」という文句を、わかり切って居るので省略したものと解して居ります。関東の方では今日はむろんようまアとは言いませんが、それでもまだ古風な物のいい方をする人たちは、「よくもまアそんな云々」と、文句の中間にまアを挿むのが普通であり、今日も女の人たちが盛んに用いて居られるマアという間投詞などは、その大半が是と同系統の、軽い驚きの感じを示して居るのであります。東北に行って見ますと、この「まァ」をマズ・マンズと発音して居りまして、是が「先ず」即ち何よりも此点に心を引かれるという感情の、表白であったことが認められます。人の物言いや行為を批難する為に、以前はこのヨーマーを器械的に、頻繁に用いる時代があって、それがヨマウという動詞を発生せしめたのは、京か大阪か、とにかく西の方の都会地であったのが、既に動詞になってから後に、段々と東の方へ普及して来たのでは無いかと、私は想像して居ります。(61-62ページ)

 このように推論する柳田は、ヨマイゴトに「世迷言」などという奇妙な漢字を宛てるのは少しも当てにならないと書いている。
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ