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「トンボ釣りの好きな少年」の話(I)

 藤原書店から出ている内田義彦セレクションには、各巻のはじめに「発刊に寄せて」という短文があり、その冒頭はこう書かれている。

▽内田義彦の作品のなかに「トンボ釣りの好きな少年」の話がある。三度の飯よりトンボを釣るのが好きで嬉々としてトンボを釣ってくる。だがしかし、彼にトンボ釣りをやめさせるのは簡単だ。それはただ一つ、「トンボを釣って来い」と毎日毎日、命令すること。「やれ」と命令されると、本来的に楽しみとしていたことであっても、とたんに苦痛以外の何ものでもなくなってしまう。(セレクション1『生きること 学ぶこと』2000年、1ページ)

 前々からこの「トンボ釣りの好きな少年」の話が気になっていた。こういう選集ものの常で、巻末には「初出一覧」がある。しかし、この「発刊に寄せて」で触れられている「トンボ釣りの好きな少年」の話のことは載っていない。
 「作品のなかに「トンボ釣りの好きな少年」の話がある」という記述からして、そういうタイトルの作品があるのかと思い、まずは手元にあった内田義彦の『形の発見』(遺稿集といえるもの、藤原書店、1992年)の巻末の著作リストをあらってみた。「トンボ」という文字さえ出てこない。このあたりで当然「トンボ 内田義彦」などと打ってネット検索もかけてみた。このセレクションの「発刊に寄せて」に言及したもののほかは出てこない。
 こうなるとやはり著作集か。今日は帰りに図書館本巻へ寄り、書庫へ入って『内田義彦著作集』をいくつか当たってみた。おそらくエッセイ風のものだろうと、めぼしをつけておいた1巻、6巻、9巻の目次を見てみるが、見当たらない。著作集さいごの10巻を開いてみると、かなり詳細かつ膨大な「著作目録」が巻末にあり、とりあえずこれだ!と借りて帰る。

 この著作集の「著作目録」には「備考」欄があり、「著者の思想と学問の理解に資するよう、執筆の背景や意図を示す文章、個人史にかかわる記述を抜萃した」ものだという。「表題」のほうを順に見ていくのだが、やはり「トンボ」云々というタイトルのものはないようだ。きょろきょろと「備考」に目を落としていると、あった!これだ、きっとこれだ。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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