FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

笑いすぎて、涙(III)

 WHOはこんな障害分類をやってきた。つまり
   I=Inpairment(機能障害)
   D=Disability(能力障害)
   H=Handicaps(社会的不利)

 三好は、近代的な個体還元論に依拠しているところがまず問題だという。”個体”が発想のベースにあるから、これらIDHへの対応もやはり”個体”の問題として考えられてしまうのがまずいというのだ。足が利かなくなりました(機能障害)に対しては、リハビリで足を可能な限り動かせるようにしましょうになる。箸でご飯が食べられなくなりました(能力障害)に対しては、お箸を使えるようにの訓練があてがわれる。

▽H(社会的不利)もまた同様である。この一見、個体から離れた社会的位相をもったかに思える言葉も、社会をここの障害者とはかけ離れたところに前提的に存在させ、その社会と障害者個人とを対立するものとして捉えている。従って、個人を社会の側に適応させるという、「ウルトラ能力主義」(障害者に健常者以上の能力を!)になるか、逆に「社会を変えよう!」と叫ぶ社会派による「バリアフリー運動」や、政治理念への障害者の囲い込みになるといった結果しか生んでこなかった。(104ページ)

 さらによろしくないことに、これはI→D→Hという因果関係として捉えられ、社会的不利の原因は能力障害、そのモトをただせば機能障害という発想から、障害者へのアプローチはますます訓練第一主義になってしまった。いじわるく言えば「健常者並みに動くカラダをもてば、DisabilityもHandicapsも乗り越えられる!」ということだ。ある一定の時期と状態ならともかく、慢性疾患をもっていたり、これ以上は曲がらない関節を、どないする気じゃ。

 行きたいところへ行こうとするココロ、食べたいものを食べようとするココロこそが、カラダを動かすのだ、ということである。これを箸で食べたいという希望があれば、箸を使えるよう本人も努力するだろう。これを食べたいのだというヨクボウの前には、箸がうまくいかなければ匙でもフォークでも、食べることができればいいのだ。食べたいものも、歩いて行きたいところもないのに、リハビリは辛い(だろう)。

 母ちゃんは、辛気くさいリハビリ(ひもにビーズを通すとか粘土をこねる)よりもドライブに出て、おいしいものを食べるのがすきだった。もっとつきあいたかったと、最後の2年を離れて住んでいた私は思う。 
  
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ