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読んだり、書いたり、編んだり 

だらくモード(I)

 起きたら昼。結局外出もせず、起きたときのまま、2人で「だらくモード」にて過ごす。昼ご飯(トマトソースのスパゲティ・バジル添え)製作は同居人、晩ご飯(焼き飯と味噌汁)製作は私。しかし、「だらくモードのワタシたち、墜ちてゆくワタシたち」と同居人に言われると、「明日からまた私は仕事であり、400連休と一緒にせんとってくれ」と思うのであった。

 昨晩少しだけ読みかけたカタログハウス編『大正時代の身の上相談』(ちくま文庫、2002年)を読む。大正三年(つまり1914年)に読売新聞紙上に「身の上相談」が登場した。連日1、2件ずつ掲載された「相談」のなかから、「いかにも大正人らしい相談」と「現代を先取りしたきわめて普遍的な悩み」を中心に選んで編まれたのがこの本である。しかも、平成時代のコメント(カタログハウスの人だろうか、どこにも素性は書いていないが内容から推すに、30代半ばか40代と思しき女性が、収録された「大正時代の相談と答え」にコメントをつけている)がついていて、このコメントがややうるさい部分はあるものの、あまりにも婉曲でまわりくどい大正時代の表現についての解説にもなっている。さらに、大正時代の小説や随筆等から採られた数行がパートごとに1ページ入っていて、大正時代の雰囲気を伝える。例えばこんなのが採録されている。

▽人生とは畢竟運命の玩具箱だ。
 人間とはその玩具箱に投げ込まれた人形だ。
   有島武郎『迷路』--大正七年 (125ページ)

▽なる堪忍はだれもする。
 ならぬ堪忍するが堪忍というのはもっともである。
 が堪忍袋に癇癪玉が収められて居らなくてはならぬ。
 癇癪玉のない堪忍袋は意気地なしの荷物である。
   三宅雪嶺『世の中』--大正三年 (257ページ)
 
 巻末解説の小谷野敦が「大正時代というのは、恋愛や結婚に関して、現代の基礎となる考え方が固まった時期であると言ってよかろう」と書いている。ああそうだろうなというくらい、収録されている「お悩み」はおもしろい。そして「人生相談なるものは、その時代のその国の、平均的人間の道徳観、人生観を映す鏡になる」。読売新聞では今でも「人生案内」という相談の場所がある。ときどき読むのもそれなりにおもしろいのだが、これだけまとまったものを読むとある時代に生きた人たちのものの見方、考え方がざくっと分かるような気がする。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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