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想像力と年の功

 朝から曇り空、ちらっと雨も降ったらしい。気温は高めで、セーターを着ていると、ちょっとあつすぎるくらいだった。
 ミードの『地球時代の文化論』(東京大学出版会、1981年、org.1970 & 1978)を読み終える。明日が返却期限なので、付箋がびらびらになったところをもう一度めくって、書き抜き帖をつくる。その一節:

▽今でも、若者に向かって大人はこう言うかもしれない、「わたしが若かったことはあるけど、おまえさんには年寄りの経験なんてないのだから」。すると若者はこう答えることができる、「あなたが若かったことはあるでしょうけど、今の世の中で若かったわけじゃないし、今さら若くもなれませんしね」。これこそ、開拓者とその子供たちによくある経験である。この意味からすれば、一九四〇年代以前に生まれ育ったわたしたちはみな、今日の文化のなかでは時間的な意味での移民なのだ。わたしたちが教えこまれた技術や価値観は、一代目の開拓者の場合とおなじように、この新しい時代にはごく一部しか通用しない。にもかかわらず、わたしたちは年長者として今もなお権力を行使し、社会を支配している。そして母国から移住した開拓移民とおなじように、結局は子供も自分たちのようになるのだという考えから抜けきれないでいる。(81ページ)

 経験の強みをもって有無をいわせぬ物言いをする場面を見聞きすることは、たくさんあるように思う。しかし、「今の世の中で若かったわけじゃないですしね」。年寄りにはこう言うとして、”経験の強み”を持ち出される場面は、それだけではない。「経験のない者には分からない」式に言われてしまうと、(人間のもつ想像力をナメてやがる)と思う私。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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