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浮遊感(II)

 そして、コーヒーをいれて、読みかけていた阿部謹也の『学問と「世間」』(岩波新書、2001年)を読む。石臼職人からインタビューで話を聞き出すことができなかったのが、ともに石臼をつくることで石臼をつくる過程の話を聞くことができた、というところがおもしろかった。
▽職人にとっては石臼作りの過程は手と身体の作業として刷り込まれているので、作業をしながらなら、いくらでも必要な説明ができる。それをインタビューの中で答えてもらおうとしたやり方に間違いがあったことに気づいたのである。言葉は身体の動きと連動していた。石臼職人に石臼作りの方法を学ぶためには、ともに石臼を作ってみなければ、その秘密は明かしてもらえない。
 これは近代的な学問に対する批判ともなりうる事実である。社会学者たちは質問事項を並べてインフォーマント(情報提供者)から事実関係を明らかにしてもらおうとする。しかしインフォーマントが言葉だけで語れることは限られている。共同作業の中でしか伝えられない事実は多いのである。(127ページ)

 日が暮れる頃になって、ようやく買い物がてら散歩に出た。風が冷たく、今日も寒い。寒い寒いと言いながら買い物をすませ、本屋に寄って、帰宅。晩ご飯は鳥野菜味噌鍋である。近所のコンビニにあるのを見つけて、またクラシックラガーの大瓶を買ってきた。
 本読み風呂で、内館牧子の「朝ごはん食べた?」の3作目『男は謀略、女は知略』(小学館文庫、2000年)を読む。内館が父親を亡くしたあとの「浮遊感」について書いている。ここはよくわかった。浮遊感を覚え、そして現実に戻るという苦行。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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