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自由の戦士と破壊の戦士(II)

 一九八二年、イスラエルがついにレバノンに侵攻し、西ベイルートを包囲した。アラファト議長に率いられるPLOの拠点を封じ込め、壊滅しようとしたのである。
 西ベイルートは、食料、水、医薬品まで不足し始めた。しかし西ベイルートには、PLOの本部があるだけでなく、イスラム教徒のレバノン人やパレスチナ難民が多く住んでいた。集束(クラスター)爆弾、真空(コンカッション)爆弾などをイスラエル軍が投下し、多くの民間人犠牲者が出た。
 これらの爆弾は、いかに近代通常兵器が発達したかを示す見本だった。ひどく精確かつ残虐なもので、ことにクラスター爆弾は人間の殺戮だけを目的としたものだった。真空爆弾は建物の破壊に使われた。そのほとんどが米国製だったのだ。そのことについて調査をおこない、本(共編『レバノン侵略とイスラエル』三友社)にまとめたこともある私は、それを鮮明に思い出す。このクラスター爆弾は、今回の米軍のアフガニスタン空爆にも使われている。
 しかしいったい何人のアメリカ人が、これまで米国製の武器で数千人、いや数万人のパレスチナ人やレバノンのイスラム教徒が殺されてきたことを知っているだろう。おそらくは少数の専門家や関係者をのぞいては知らなかっただろう。そんなことは一般のアメリカ市民にとり、どうでもよいことだったのだ。しかし、そのことを知らなければ、彼らの憎しみが分からない。(70-71ページ)

 黒人の消防隊員が語ったこと--「あの日」の受け止め方の違い:
▽「白人は脅えているわ。今まであった周囲の安全や快適な生活が、一日にしてなくなってしまい、世界が変わってしまったような気分になっているのよ」
 「でも私たち黒人にとってショックは、そんなに大きくないわ。もともと私たち黒人にとり、安全も快適な生活もなかったのだから。私のいる黒人居住区では、しょっちゅう黒人が死んでいるわよ。それも黒人が些細なことから他の黒人を殺すというような馬鹿げたことをやっているの。それに検問が厳しくなったといっても、今までだって黒人とみれば、警官は尋問をし、持ち物検査をしてきたのね。だから、私たちにとって、世界が一日にして変わってしまうようなことはないわ」(103-104ページ)
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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