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読んだり、書いたり、編んだり 

黄色い髪

 3度めか4度めか、干刈あがたの『黄色い髪』(朝日文庫、1989年)をまた読んでみる。書いてある風俗からして、この小説の主人公である柏木夏実は1980年代の前半に中学生であるらしい。干刈あがたの上の子がたしか私とほぼ同い年(ひとつかふたつ下だったと思う)なので、その頃の経験も反映されているのだろう。自分が中学生から高校生だった頃の風俗である。「非行の第3のピーク」の世代。
 何度も読んで、話はだいたい分かっているのに、読み始めると、しばらくしてうんざりした。中学校ってこんなところだったような気もする(そうでなかった気もするが)・・・といううんざりである。自分はどんな中学生だったのか、思い出せるようで、ほんとにそんなだったかよく分からない。11月に仕事がらみで中学生と話をする予定で、「どんな中学生だったか」という話を、と大雑把なことを頼まれている。むかしのことはよくおぼえている気がしていたが、いざそう言われてみると、自分はどんな中学生だったんだろうと思う。断片的なことはいくつか浮かぶ。でもそれを寄せ集めて、自分はこんな中学生でした、っていうのが当たっているのかどうかは分からない。
 生徒手帳には「こういうことを守るように」という項目が並んでいた。その中に(正確な文言はおぼえていないが)「中学生らしい服装を」とか「中学生らしい髪型を」というのがあった。中学生の頃、私=中学生、だから、中学生らしく、というのは、自分が自分でいいんちゃうんと、そんなことを考えていたような記憶がある。なんやねん中学生らしさって、と思っていたような気もする。子どもの屁理屈といえば屁理屈なのだろうが、「中学生らしく」という表現には引っかかっていた。
 前にはこんな表現にべつに引っかからなかった気がするのに、今日は、学活や授業のさいしょと最後に「きりーつ、れい、着席」とやるところを読んでいて、学校ってそういうところでもあったなあと思った。げーーって感じ。中学生の頃は、あの「きりーつ、れい、着席」に、何か思っていただろうか。別になんも思ってなかったような気もする。
 いま32歳の私は、折り畳んでも夏実の歳にはならなくて、夏実の母・史子の歳のほうが近いのかなあと思う。子どもの親は、そうではないオトナとは、また違う感触でこの小説を読むんかなーー そこのところはまだよく分からない(いつか「分かる」のかどうかも分からない)。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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