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見えないものと見えるもの(I)

 昨日の『子どもの学力とは何か』はおもしろかった。さいごの方では、いろいろな「学力観」の話が出てくる。学力が高いとか低いとか、学力をつけるとか、学力が落ちたとか、そういう風に語られる「学力」は、大雑把に言って、「行動主義の見方からの学力観」である。行動主義というのは、「第三者によって観察できるものごとだけを研究の対象にしようという主張」のことで、物理学のような自然科学をお手本にした考え方である。そのせいで、ほかの人が端から見て分からないことは研究対象から外されていき-「思考」「感情」「記憶」のようなものは扱わなくなって、皮膚を流れる電流の量なら測れるから、みたいに、そういうのを対象にして、動物に芸を仕込むような実験をしながら、学習心理学というのができた、という。わかりやすい例は、「こういうモノを見せたら(刺激)」、「こう答えた(反応)」というような、刺激-反応のチェックである。この「学習心理学」で言う「学習」は「刺激に正しく反応すること」で、「正しい反応」や「正しい答え」を目指す教育の成果として、「学力」が高いとか低いとか言われるのである。
 永野はこういう行動主義の見方からの学力観ではなくて、「認知主義の見方からの学力観」というのと「状況主義的な学力観」というのをもってくる。認知主義の見方から考えるとこういうふうだ。
▽そこでは、学習者は能動的に知識を生産する存在である。知識が学ぶべきものとして学習者の外にあるのではなく、学習者が知識を構成するのだという側面をとらえれば、それは構成主義の立場に立って学力を考えることになる。子どもの作り出した知識は、「正答」と違っていても、無価値だなどとはとてもいえない。そういう世界の話になる。(76ページ)
 
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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