FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

ウシがゆく―植民地主義を探検し、私をさがす旅(知念ウシ)

ウシがゆく―植民地主義を探検し、私をさがす旅ウシがゆく
―植民地主義を探検し、私をさがす旅

(2010/10)
知念ウシ

商品詳細を見る

1月に、金時鐘さんの講演会「私の日本語の由来」へ行ったとき、そのあと途中まで電車で一緒だった『We』読者のももんがぁさんに、いま読んでる本と見せてもらったのが、この『ウシがゆく』だった。どこかで聞いた名前と思ったら、『植民者へ』の本にも出てきた人だった。

読み終わったら貸そうか~と言われ、こっちでも図書館でリクエストしてみますとすぐ後にリクエストしたのを、待って待って待って、やっと4月半ばに届いた本。ヨソからの相貸で、図書館で借りるとき「買いたかったんですが、買えなかったんです」と言われる。え、買えないの?まだ半年くらい前の本やけど…。

返却をぎりぎりまで延長して読んだあと、この本は手元においてくりかえし読みたいと思った。沖縄語とか、わからへんとこもあるけど、そのわからへんのを何べんも読もうと思った。

それで、本を探して本屋をハシゴした。(版元の在庫があるのかどうか、amazonではえらい値段のものしか出てこない。他のネット書店も「在庫僅少」。ということは、本屋に在庫があったら買えるなと思い…)
梅田に新たにできた丸善&ジュンク堂にも、初めて行ってみた。「何でもあるよ~」と噂を聞いていたが、残念ながらこの本はなかった。棚も見にいったが、やはりなかった。ついでに「フェミックス」の本を検索してみたら『ひげのおばさん子育て日記』が1冊だけあった(残念なことに、一番新しい本『ベーシックインカムは希望の原理か』はなかったし、『We』や他の本も、検索結果としては出てくるが、ひたすら「在庫なし」)。ほかに、私が(あったら買おうかな)と思っていた本もいくつか検索してみたが「在庫なし」。図書館でのリクエストと同じで、私のツボが「売れ筋」をはずしているのか…。

帰りに紀伊國屋でも在庫を探してもらうが、「注文の場合も、入るかどうかを含めて、かなり時間がかかります」と言われる。大きな本屋を二軒まわって、くたびれたので、とりあえず帰ってネット書店にトライ。実店舗にはなかったけど、丸善&ジュンク堂。関西の店舗には「在庫なし」だが、店頭在庫がある店も。そして、2日ほどして、本が届く。買えたよ!と図書館につい言いたくなる。

帯には大きく
植民地主義とのたたかい
とある。

怒りとどう折り合いをつけるか、ウシさんが、アメリカ・インディアンのプレシラさんとの話を書いた「あなたは怒っている、なぜならあなたは正しいから」に、ウシさんの怒りを読む。

▼日常生活を送っていくために、征服者に対する、己の身を滅ぼすほどの怒りとどう折り合いをつければいいのだろう。どのようにしたら怒りを「克服」できるのか。教えてほしいのはそれだった。プレシラさんは答えてくれた。
「私は『克服』なんかしていない。こんな状況を毎日見せつけられるのだから、怒るのは当然。私が少し落ち着いて見えるとしたら、年齢のせいかも。二十年後はもっと『丸く』なっているかもしれないけれど、私はまだ怒っているはずよ」
(p.198)

『植民者へ』に収録されているアシス・ナンディ氏へのインタビューについて書いた文章も、印象深かった。

ナンディさんに会いたくてインドへ行き、会えばツーカーで沖縄のことを話せるだろうと楽しみにしていたのに、植民地主義研究のマギー(権威)であるナンディさんは沖縄のことをあまり知らず、当初の会話は「シーン」となってばかり、ウシさんはがっかり。それでも、その後も交流をつづけ、ナンディさん、妻のウマさんと友だちになっていった。

▼ナンディさんは植民地主義の特徴の一つとして、被植民者が互いに学ぼうとせず、欧米など支配者のほうに憧れる、というのをあげた。だからこそ、私が沖縄からインドへナンディさんのもとへ植民地主義を教えてほしい、とインタビューに行った意味を、もうわかっていた。だから、英語がうまくいかなくて、私がしどろもどろになったり、とんちんかんな受け答えをしても、忍耐強く丁寧に親切にわかりやすく話してくれた。そこには植民地主義を克服するために、被植民者同士が学び合うための英語が実現されていたと思う。(p.153)

「こんなこと感じている私はどこかおかしいのだろうか」と、長い間一人で思っていたウシさんは、ポストコロニアリズムに出会い、書くことで応えてくれる人たちに出会い、「カマドゥー小(ぐわー)たちの集い」の女性たちと出会い、そのなかでこの本になった文章を書いてきた。

「私たちは反基地運動をしているのではない。沖縄でただ生活しているのよ」(p.286)
時々カマドゥーの誰かがこう言うとウシさんは書いている。ただ生活しているなかにある植民地主義、"日本人の植民地主義"。自分のところで、自分の生活のなかで、私ができることはなんだろうと思う。

届いた本をまた読んでいる。ももんがぁさんとも、読んだ話をゆっくりしたい。

(4/27了、再読中)
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/1786-617ff97f
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ