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聞書 ひたむきの女たち 無産運動のかげに(牧瀬菊枝)

牧瀬菊枝の本は、これとあと何冊かが母の本棚にあったのをおぼえている。

こないだ読んだ『母たちの戦争体験 ひき裂かれて』で牧瀬の名をみて、この本を思い出し、借りてきて読んだ。

『聞書 ひたむきの女たち 無産運動のかげに』
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朝日選書の、かなり初期の頃の一冊である。巻末の「既刊目録」をみると、もう今は手に入らないような書名が並んでいる。…と思ったら、全部ではないが朝日選書はオンデマンド版で、長いこと品切れになっていた「名作91冊と大佛次郎時代小説全集(全24巻)」を出すことにしたそうである。

ただ、残念ながら、この牧瀬菊枝の本は入っていない。

「あとがき」に牧瀬はこう記す。
▼…今から四十何年も昔、弾圧のために若い命を捨てた女の人は数えきれない。そのなかには、女に対する破廉恥なテロのために狂死した私の学友、獄中で結核のために斃れた先輩、友人も何人かいるが、そのような犠牲者の記録は、今となっては編むすべもない。からくも生き残った女の人たちは、過去の過酷な歴史のなかで果たした役割については沈黙したまま年老いて、ひっそりと生きている。正史には決して登場しないそのような人たちの足あとをささやかながら記録に残しておきたい。それが戦前を生きてきたわたしのせめてものつぐないであると思って、もう二十年近くにもなるが、友人たちの話をぼつぼつ聞いては、書きためてきた。…(p.203)

牧瀬がこう書いたのは1976年、いまから33年前。ここに四十何年前と書かれているのは、昭和の初めころから戦中のことである。

この文章にある「テロ」の言葉づかいは、9.11以降聞かれるようになった「テロとの戦い」などという言い方ばかり見聞きしているあたまには、「はっ」とさせられる。

テロとは「暴力手段に訴えて政治的敵対者を威嚇する」ことだ。治安維持法があり、主義主張の異なる相手を暴力によってたたきのめそうとする。

牧瀬が聞き書きをした女性たちの中にはひどいテロを受けている人もいる。この本のなかで、検束され、捕まったときに受けた「テロ」として、「指の間に太い万年筆をはさんでこじる」とか、「裸にしてつるし、六角棒でうしろからビンビン殴られ、気絶すると水をぶっかけ、気がつくとまた殴る」とか、「髪をつかんで引きずりまわされる」といった、読んでいるだけでもぞっとするようなことが書いてある。

また、同志のなかには、あまりにひどい拷問をうけて、気がふれたり、身体を悪くしてそれがもとで亡くなった人もあったと、書いてある。

印象深かったのは、どのような家庭で育ったかについて女性たちが話しているところ。「人間に上だの下だのがあることを認めない」という父や、主義者の兄がいた。「家庭の空気が当時としてはたいへんに自由であった」。

「嫁に行け」と親にせまられ、髪結いに行くと言って家出し、紡績工場づとめ

3.15
4.16
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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