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生き方としての宅老所(高橋知宏、藤渕安生、菅原英樹、伊藤英樹)

生き方としての宅老所―起業する若者たち生き方としての宅老所―起業する若者たち
(2010/10)
高橋知宏、藤渕安生、菅原英樹、伊藤英樹

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井戸端げんきの伊藤さんの名前を見て、借りてきた。ブリコブックレットの一冊め。ブリコ、なつかしいな~。

「はじめに」で、三好春樹が、この本に出てくる若い人たちのことをこう書いている。
▼印象的なのは、彼らが「福祉」や「介護」の世界のコトバを使わないことだ。(p.5)
4人の話は、どれもほんとにおもしろかった。

介護の仕事の場で浮きまくっていたという、こてっちゃん家の高橋さん。あるおばあちゃんが倒れてから一回も生の魚を使ったお寿司を食べてない、食べたいと言うので、婦長に言ったら「絶対にダメ」、理事長に直談判してOKは出たが、家族が「そんな無駄な出費はできない」。自分が休みの日に、スーパーでパックのお寿司を自分の弁当と称して買っていって、おばあちゃんに食べてもらった。

▼たかだかスーパーのお寿司すら満足に食えない。お年寄りの食べたいという気持ちも引きだしていないし、食べたいという望みも実現していない。逆にやっちゃいけないことばかり。理由はそれがルールだから。でも、そんなルールっていったい何なんでしょうね。お年寄りの小さな夢のひとつもかなえられないで、俺、介護やっていますなんて、とても言えないと思いました。(p.19)

「こんな人は受け入れられません」とヨソの施設で断られた人を、4人の宅老所はそれぞれ「誰が来てもいい」と受け入れてきた。「こんな人」もごちゃごちゃいるのが世の中だ、と言うは易しで、「こんな人」の受け入れに苦労も悩みも大きい。「なんでこんな人を連れてくるの」と他の人から言われもし、どうしていいのかと迷う。そこも率直に書かれている。

羊ヶ丘の里
の菅原さんは、スタッフのモチベーションをあげるためにこそ「うちだからできるんだよ」とは言ってきたが、「実際にはどこだってやればできることなんだと思っていました」という。

▼やることをきちんとやっていれば、あとは多少ルーズなことがあってもいいのかなって思います。…いろいろルールを決めて縛っていくのは簡単ですが、この仕事についてはそれはいい結果を生まないように思います。最低限のルールだけわきまえていてもらえば、あとは自由にやってもらうほうがいい結果が出るのが介護だと思います。(pp.75-76)

玄玄の藤渕さんが書く、ミズノさんの話がよかった。深い認知症のあるミズノさんは、夕方家に送っていくとご主人をつねる。
▼ご主人は「こいつ、ものが言えんじゃろう。ものが言えんけん、これでしゃべりよんよ」と言うんです。そして、つねるのをなかなかやめようとしないミズノさんを、ご主人は抱きしめるんです。「こうやったら、こいつ、やめるけん」と、やさしく笑いながら。すごいなと思いました。(p.50)

ブリコ、また読もうかな~と思った。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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