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回想 日本の放浪芸 小沢昭一さんと探索した日々(市川捷護)

3枚組のCD「小沢昭一が招いた日本の放浪芸大会」に聞きほれる。

壱枚目の万歳、弐枚目の演歌、飴屋、そして三枚目の浪花節。いずれも「聞かせる芸」である。これは、もっと聞きたい、もっと知りたいと思い、都築響一の本でも紹介されていた、小沢昭一と一緒に各地の芸能を求めてまわったプロデューサー市川捷護の本を借りてきた。

回想 日本の放浪芸―小沢昭一さんと探索した日々 (平凡社新書)回想 日本の放浪芸
小沢昭一さんと探索した日々

(2000/06)
市川 捷護

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市川は小沢とともに、1970年から7年間にわたり、日本各地の大道・門付けの諸芸能を訪ねて記録してきた。

この本で、市川もまた「道」の話を書いている。

▼…日本の各地の大道や街角で跋扈していた放浪の諸芸が滅亡したのは、日本の中から道や街がなくなったということなのだ。高速道路やビルディングはどんどんできたが、そこは放浪の諸芸に携わる人たちの生きる場ではなかった。人々の心のあり様、社会の構造も大きく変貌した。つまり過去三、四十年の間に日本の風景が一変したということなのだ。そして彼らが所属していた階層も変質していった。(p.12)

大道芸消滅に拍車がかかった時代について、市川はこのようにも書いている。

▼…一九七〇年(昭和四十五年)頃は日本の高度成長経済が軌道に乗り、世の中が近代化のテンポを早めた時代だった。道路交通法という法律が施行され、大道芸消滅へ拍車がかかった。もちろん、それだけでは計れないさまざまな社会的変質が同時に起こっており、日本人の精神構造や家庭の構造にまでも深く影響を与えていたことが背景にはあったけれど、道路交通法は眼に見える形で、直接的に大道の芸能を日本中から消し去った。(p.62)

道路交通法
運転免許をもっている身には、違反してはいけない法規と思っているくらいのものである。
条文を少し読んでみた。1965年に制定され、その後なんども改正がなされている。
市川が書いているような視点でこの法律を読んでみたことはなかった。

総則のはじめに、法律の目的(第一条)と、道路の定義(第二条)がおかれている。

第一条  この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  道路 道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項 に規定する道路、道路運送法 (昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第八項 に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。

道路法道路運送法の総則もあわせて読んでみた。
要は、これらの法律がいう「道路」とは、クルマのための道である。道路法でいう「道路」の第一は高速自動車国道であって、なにが一番に定義されているかというこんなところに、なにが一番大事かという法の心根がみえるのである。

そして、この本を読み終えて、最終的に22枚に及ぶレコード・シリーズとして出た「日本の放浪芸」のいずれもぜひ聞きたい!という思いがさらに強まるのであった。

そして、この本の後半に書かれている、その後の映像もの「小沢昭一の新日本の放浪芸」や「音と映像による新世界民族音楽大系」、「天地楽舞 音と映像による中国五十五少数民族民間伝統芸能大系」を、これもいつかは見てみたい!と思うのである。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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