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アラマ、あいうえお! ことばをあるく9000日(波瀬満子、谷川俊太郎)

『ひらがなあそびの授業』が思いだせずに、あれこれと探している間に、似たような本がぱらぱらと引っかかり、そのうちの一冊を借りてきた。

アラマ、あいうえお!―ことばをあるく9000日 (ことばをあるく9000日)アラマ、あいうえお!
ことばをあるく9000日

(1996/06)
波瀬 満子
谷川 俊太郎
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波瀬満子さんて、はせみつこさん!? はせみつこさんといえば、中畝治子さんと『ひらひらきらり』を出した人!?
『ひらひらきらり』は、「ジャパンタイムズ」紙に連載された擬音語・擬態語の4コマ漫画がもと。漫画担当が中畝治子さんなので、治子さんたちの「二人展」のときに、会場で、連載の切り抜きファイルを見せてもらったことがある。

ひらひらきらり―ミッチーのことばあそび 擬音語・擬態語1・2・3ひらひらきらり
ミッチーのことばあそび
擬音語・擬態語1・2・3

(2006/11)
はせ みつこ・さく
中畝 治子・え
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この本は、

     絵がきこえてくる!

          声にしたくなる!

               オノマトペの世界!!


はせみつこさんといえば、治子さんちの「中畝ギャラリー」に、17歳で亡くなった祥太君へのメッセージがある。

▼出会いは祥太くんがまだ小学生だったころ、私の“ことばあそび”のステージを見にきてくれたときにはじまる。上演中、車椅子の祥太くんは澄んだ目を大きく見開き、体ごとでことばを感じてくれていた。
 それから何年か後、祥太くんのお母さんの中畝治子さんと私は、ソファーに横たわっている祥太くんの傍らで、ミッチーくんが主人公で、この本のもとになったジャパンタイムズのWord Playの仕事をするようになっていた。(後略)

たぶん、祥太君が「体ごとでことばを感じて」いた、そのステージにつながるものが、『アラマ、あいうえお!』の中にある。

「スーパー・A-I-U-E-Oショー」というステージをつくるにいたった話を、はせさんはこう語っている。谷川俊太郎が、日本語をしゃべらない人、あるいは知らない人にも自分のショーを見せたいとういのが一番大きな動機なんじゃないのと訊ね、それにこたえて。

▼外国の人に見せたいというよりもまず、ずーっとことばにかかわる仕事をしてきて、子ども向けのもの、現代詩を表現すること、それから障害をもっている人たちの仕事とそれぞれやってきたわけです。そしたら、なんだかお客さんがそれぞれとても分散してしまった。日本って、なにか、"子ども向け""若者向け""大人向け"っていうタコツボ文化なんですよね。外からのワクにはめられちゃう。それを壊したい。ことばのショーをやっているのに、ことばをしゃべることのできる人間という哺乳類すべてに対応できる内容がないということが、すごく不満に思えてきたというのが大きいですね。それで、そのときに、外国っていうか、日本語を母語としない人にも見せることができたらって。
 それともうひとつ、言語っていうのは人間と人間をつなぐためのひじょうに便利な素材なのに、フランス語、スペイン語、韓国語、中国語っていうふうにそれぞれの母国語が異なることで、それが逆にコミュニケーションの障壁になっているということを強く感じて、これはおかしなことだなあと思ったんです。一歩、外国に出ていくと、英語圏以外では、私なんか、ほとんどことばが通じない。その不自由さというものを超えたい、そのバリアを超えたい。一生、ことばというものの表現に賭けてやってきて、それを超えるものを考えなければウソじゃないか、って思ったことが大きいですね。(pp.185-186)

また、「ことばのショー」や「あいうえお」と言ったときの反応に苦労してきたと語る。
▼それにしても、こういうことばのショーをやっていてずっと苦労しているのは、「あいうえお」といえば子ども向けのもの、って思われてしまうことなんです。見てくれた人はそう思わない。でも、見ていない人は、『A-I-U-E-Oショー』って聞くと、「あいうえお」のお勉強と思っちゃう。五十音表しか思い浮かばない。こんな過激な実験やってるとも想像しないし、おもしろそうとも思ってくれない。これはずっとつきまとっているんです。(pp.211-212)

このあと、はせ・谷川の話は、言語の相対性にうつり、その相対性のもとには「音」があり、音がコミュニケーションの基本である、それがわかれば「あいうえお」は日本語のいちばん基本的な構成要素である…と続いていく。

この本も、声を出して読みたくなり、うずうずと身体がうごくような「ことば」がたくさんあって、久しぶりに「詩のボクシング」のCDなんかを聞きたくなるのであった(はせさんのショーとはきっと違うけど)。

「音がコミュニケーションの基本」というところは、音声言語でない場合にはそれなら何が基本になるのだろうか?と考える。手話のような視覚言語の場合、コミュニケーションの基本は何だろう。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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