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中学のときの「社会」の教科書

『部落差別をこえて』のあと、今の「社会」の教科書ではどんなことが書かれているのかと、図書館で最近の教科書を借りてきてあっちこっち眺めたあと、自分が昔どんな教科書を読んでいたのか、とくに「社会」の教科書を探しだしたいと思っていた。

今どこにあるのか全くわからないが(どこかにはあるはず)、私は「社会」の教科書をほぼ全てとってあり、妹のも数冊とってある。自分が「社会」の教科書をとっておいた理由のひとつは、中学1年のときの「進出」問題だと思う。

昨日は朝から一日ずっと本の行商、今日は朝早くから父の通院のため実家へ行き、やっと夕方戻ってきて、なかなか行けずにいた「教育センター」へ立ち寄ってみた。図書館の人から、古い教科書がここにあると聞いていた。

とりあえず自分が使っていた教科書を見たい。私の記憶では、地理は帝国書院、歴史は大阪書籍、公民は…資料集の印象ばかりが強くて、教科書がどれやったか思い出せず。

1982~3年頃の中学社会の教科書を出してもらう。いずれも1980年3月に検定済みの版。
歴史の教科書は、私の記憶どおり、風神さん(と五重の塔と青銅鏡)が表紙に配された大阪書籍のものだった。中をぱらぱらと見ると、口絵写真も、本文の写真も、ああこれこれと思い出す。私は教科書の表紙にも本文にも落書きをしまくっていたので、出してもらった教科書がやたらキレイに見える。

地理は帝国書院のもので、冒頭数ページのところ、アジアのなかの中国について述べたページに、今も記憶にはっきりとある「進出」があった。たまたま一緒に出てきた、6年あと(1986)の、同じ帝国書院の教科書では、本文内容はほぼ同じながら、その「進出」は「侵略」と変わっていた。2年前(1978)の帝国書院の教科書も「侵略」と書かれている。

公民はいったいどれやったっけと、とりあえず大阪書籍のものをめくってみると、口絵冒頭の「アポロから見た地球」の写真に、これや!と思う。資料集の記憶が強いのは、教科書よりも資料集を中心にした授業をうけていたのだろう。それでも、口絵写真はどれもみおぼえがある。

3冊とも借りて帰って、あちこちじっくり見てみたいが、イケズなことに禁帯出だというので(図書館をつうじて借りられないのかと訊いてみたがアカンということなので)、今日はとりあえず少しだけメモをとり、コピーを一部とって帰ってきた。

大阪書籍『中学社会 歴史的分野』(1980年3月31日検定済)
江戸時代の「身分制の社会」について書かれたところは、こんな風になっている。
▼幕府は、武士の支配をいつまでも変わらないものにするため、秀吉が出した身分令をいっそうおしすすめ、士と農工商という身分制度を全国にゆきわたらせました。…(p.124)

このあとに、「えた」「ひにん」身分の"不満の捌け口"説についても書かれている。
▼…このような身分制度は、農工商などの庶民が、力をあわせて武士のきびしい支配に反抗しないようにし、また庶民に、苦しい生活のなかでも、自分よりもまだ下の者がいると思わせて、その不満をそらす役割をはたしたと考えられます。(pp.124-125)

帝国書院『中学新地理』(1980年3月31日検定済)
第1章「世界とその諸地域」の第2節「アジア」、そのなかの「社会主義の道をあゆむ中華人民共和国」のところに、私が地理担当だったA先生から聞いた「進出」表記がある。私が中1だった1982年の夏、この「進出」表記は外交問題になっていて、新聞にもけっこう大きく出ていた気がする。そして、夏休み明けの授業で、A先生から「あなたたたちの教科書にも進出がある」と聞いたのだった。

▼…19世紀にはいってから、ヨーロッパ諸国や日本が中国に進出して、これを半ば植民地のような状態にしました。(p.23)

1986年3月31日検定済の『中学新地理 三訂版』の中国の箇所はこのようになっている(教育センターには、1983年検定の二訂版がなかったので、いつから変わったかは確認できず)。
▼19世紀にはいってから、ヨーロッパ諸国や日本などの侵略を受け、国力はしだいにおとろえていき、その状態は新しい中国の誕生までつづきました。(p.26)

私はこの中国の部分のみを鮮明におぼえているが、アジアのページのその次は隣国・朝鮮で、ここも1980年検定の教科書と、1986年検定の教科書とでは、表記がちがっている。

私が使った1980年検定版。
▼朝鮮は1910(明治43)年に日本に併合され、第2次世界大戦が終わるまで、日本の大陸への進出の足がかりとして利用され、自由な発展の道をさまたげられてきました。(p.31)

1986年検定版。
▼朝鮮は、1910(明治43)年に日本の植民地とされ、第2次世界大戦が終わるまで、日本のアジア大陸侵略の足がかりとされて、自由な発展の道をさまたげられてきました。(p.34)

中国については、1978年検定版では「侵略」表記だが、朝鮮については、1978年検定版では「進出」表記だった。


久しぶりに古い教科書を見て、判型や色づかいこそ、私が使った頃のものと今のものはだいぶ違って見えるが、基本的な章立てや内容に「大きな変化」はないのだなと思った。ただ、マイナーチェンジはそれなりにある。「身分差別」の記述など、だいぶ違っている。

教科書のなかみをアタマにすこんと落とし込むものではないと思うものの、「どういうこと」として私は歴史を学び、地理を学び、公民を学んだのか、もうちょっとゆっくり古い教科書を読みたいので、教育センターでなんとか借り出すか、図書館の相貸の可能性をさぐってみたい。(ウチのどっかにあるはずだが…)

それにしても昨日の重量物(本)運搬のおかげで、腕やら背中やら腰やらがすげー筋肉痛。四条の乗り換えでは階段ばっかりで手がもげるかと思った。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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