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朝鮮強制併合100年─脱植民地主義のフェミニズムをさぐる(『女たちの21世紀』62号)

朝鮮強制併合100年─脱植民地主義のフェミニズムをさぐる『女たちの21世紀』No.62
【特集】朝鮮強制併合100年―脱植民地主義のフェミニズムをさぐる

表紙の絵は富山妙子。新しく出た金石範の小説『死者は地上に』の表紙も富山妙子だった。

借りてきてから一ヶ月ほど、途中で延長もして、読んでいた。知らないことがいっぱいあると思った。

たとえば「創氏改名」は、朝鮮の人たちに日本式の名前を押しつけた、という風に私は思っていたが(そういう側面もあるが)、これは根本的には朝鮮の家族のあり方を解体し、日本の家族のあり方につまりは天皇を頂点とし長男を優遇するジェンダー秩序を移植しようとするものだった。

「日本の氏とは、天皇家との間の血統上の距離を表す親族・家族集団の指標として機能している」(p.11)と佐藤文明さんが書いている。これに対し「朝鮮の姓はどう辿っても一族の始祖よりほかには行かない。天皇家だけが突出する日本とは違う」(p.11)、創氏改名とはその朝鮮の姓を氏にあらためさせるもので、「姓を氏に改めるということは、一族の始祖を裏切り天皇家の分家を偽装すること、朝鮮の骨格、原点を捨てること」(p.11)なのだった。
鄭暎惠さんの「自らの権利と責任に向き合わなければ、植民地主義を終わらせることはできない」のなかにあったこの言葉──

ジェンダーといえば男女平等だと思っている人が多いけれど、
その「男女平等」という発想は、
土俵の上に乗っている男女だけを対象とする「平等」。
しかし、土俵そのものが誰かを排除しているのではないか。
(p.14)

「慰安婦」にされたおばあさんを「かわいそうなおばあさん」と思っているあいだは、自分の問題として見えてこないあいだは、日本社会の女の扱うやり方がいかにひどいか、自分や子どもたちが明日同じような目に遭うかもしれないということはわからないだろうという鄭さんの指摘は、刺さる思いがする。

済州島の4.3事件にしても、ほんとに知らないなあと思った。先週の箕面であったセミナーで、4.3事件のことも少し話があって、話を聞いて帰ってきてから、この号の「済州島から日韓100年の歴史をひもとく」をまた読んでいた。

こないだ歴史教科書を久しぶりに読んだときにも思ったが、解放後の朝鮮について、わずかながら書かれているのは朝鮮戦争のことと、日韓基本条約のことだけで、とにかくよほど興味関心をもつのでなければ、知らないばかりになってしまう。

日本が朝鮮に対しておこなってきたことや、済州島のことや、私はやっと少し知ったような気がする。
 
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2010.11.25 07:04
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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