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だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ(都築響一)

都築響一のこの本は、何かでみて、あー読んでみたいと思いながら、しばらく忘れていた。こないだ読んだ『すごい本屋!』に都築のことが出てきて、ついでにこの本のことも出てきて、そうやそうやと思い出して、借りてきた。

だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだだれも買わない本は、
だれかが買わなきゃ
ならないんだ

(2008/02/28)
都築 響一

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まず本屋の話。それから本の話。人の話。イメージの話。
「いま書店と美術館は、東京より地方のほうがはるかにおもしろいと、つくづく思う。」((p,12)という都築が、地方の書店を訪ね歩いたレポートが第1章。

ここに、『すごい本屋!』の「イハラハートショップ」も出てくるし、イハラハートショップを「周回遅れの最前線」と評した「定有堂書店」も、同じく鳥取の「本の学校・今井ブックセンター」も登場(ここは1度だけ行ったことがある)。大阪や京都の本屋も数軒出ているが、噂はきいたことはあるものの未踏の本屋ばかり。

あとは、『週刊新刊全点案内』や朝日新聞や、その他の週刊誌、雑誌、新聞などに書かれた本の紹介、書評がたくさん。

『週刊新刊全点案内』といえば、図書館など定期的に本を買うところがお得意様の雑誌である。ここに連載されていたという書評が、いや選書が、めっちゃオモロイ。ここで紹介された本のなかで、どれくらいが図書館に入ってるやろう…?と思う。

巻末近くに、6年続けていた朝日新聞日曜日の読書面の書評を突然やめることになったいきさつが書かれている。簡単にいうと、朝日新聞の担当編集者から「この言葉は読者が不快感をおぼえ、反発を買う可能性があるので、書き直してくれ」と言われ、いちどは譲歩して書き直しの案を出したが、それもいかぬと担当者にくわえて編集長まで出てきて「抗議があったら困りますから、訴訟になったらこっちが負けますから」の一点張りできたわけである。

都築の元の(掲載されなかった)原稿が載っている。私はこの元の本を見てないけれど、朝日の担当者と編集長の言い分のほうがヘンやろうと思う。

都築はうんざりして、もう苦労して原稿を書く気になれないからやめますと伝える。担当者は「えっ、こんなことで」と言ったそうである。担当編集者の最後のひと言は、都築の筆を借りるとこうだ。
▼「(そんなことに)そこまで賭けますか…」だった。そうだよ、そこまで賭けるから、50歳になってもフリー・ライターなんて、割に合わない仕事をやってられるんだよ。でも、わかんないだろうな、大新聞のエリート記者には。(p.272)

「小沢昭一」の項で紹介されている音のドキュメンタリー『ドキュメント日本の放浪芸』にかなり興味を引かれた。
▼もともと1970年から77年にかけてLPレコード・シリーズとして発売されたもので、俳優の小沢昭一氏が訪ね歩いた日本各地の大道・門付けの諸芸能を記録した貴重な録音である。(p.218)

小沢昭一と長い旅をともにしたプロデューサー市川捷護の回想記『回想 日本の放浪芸―小沢昭一さんと探索した日々』もあるのだそうで、これをまず読んでみようかな。

都築がこう書いている。
▼かつてはLP形式の「ドキュメンタリー」というジャンルが、立派に成立していた。芸能だけでなく、学生運動、大事件の報道記録やスポーツ中継とか、いわゆる音楽の領域からかけ離れたLPが、レコード店にちゃんとコーナーを設けて販売されていたものだ。(p.218)

ああ、そう言われれば、私はいったいいつの間に、ドキュメンタリー=映像だと思うようになっていたのだろう。

もう一冊、読みながら私がメモした本は石子順造の『ガラクタ百科―身辺のことばとそのイメージ』。これもそのうち読んでみたい。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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