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中村のイヤギ(張領太)

昨晩は、映画「中村のイヤギ」を見にいった。上映後に、監督の張領太(ちゃんよんて)さんの話もあった。

「イヤギ」とは「話」という意味。在日3世の張さんは、伊丹の中村地区へ入り、カメラをまわす前から数えると3年弱かけて、隣接地へ集団移転する前の中村を撮った。森達也の「A」「A2」をみて、「ドキュメンタリーってこんなことができるんや」と思ったそうだ(活字派の私としては珍しく、これは2本ともDVDをもっている)。

映画の冒頭では、韓国併合条約の一条がうつされる。

韓国皇帝陛下ハ韓国全部ニ関スル一切ノ統治権ヲ完全且永久ニ日本国皇帝陛下ニ譲与ス
映画は、中村地区のスポークスマンである自治会長や副会長のインタビュー、伊丹の空港室長だった宮本さんの話、20歳で日本に来て60年以上中村に住んでいる一世のハルモニの話、古タイヤの解体をする男性ふたりの漫才のような掛け合いなどとともに、この場所に人が暮らしていた様子ををうつしていく。『生きられた法の社会学』でも名前の出ていた「とらちゃん」のおかあさんは、いつでもと言われてついつい後まわしにしていたら、その間に亡くなられていたといい、中村で生まれ育った娘さんとその夫の話がうつされていた。

今、中村はすでに更地になった。映画の終わりのほうで、その更地になった風景もうつる。住んでいた人たちの痕跡、ここに長年にわたる暮らしがあったことは、その更地からはもうわからないけれど、張さんが話を聞き、映像に残したことで、記憶する足がかりができたと思った。

「伝わらなさ、わからなさを大切にしたい」と張さんは話していた。わからないこと、聞き取れない言葉もあった。知らなかったこともあった。
Genre : 映画 映画
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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