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種をまく人(ポール・フライシュマン)

種をまく人種をまく人
(1998/07)
ポール・フライシュマン

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前年の落ち葉は、読みかけの本にはさんでおいたしおりのようなものですね。(p.91)

「ブックマーク」てな題をつけたミニコミを作ってるせいか、こんな一文が心に残る。

ヴェトナム出身の「キムの話」に始まり、「フローレンスの話」まで、十数人の「話」を通じて、それぞれの視点から見た地域の空き地の風景が描かれる。その空き地に、それぞれが種をまき、あるいは水をやり、何かを育てていくなかで、年齢も人種も民族もさまざまな人たちが、顔見知りになり、言葉を交わし、知恵をかりあい、採れた野菜や花をゆずりあいながら、同じ場でともに時間をすごしていく。

そうやって一つの場が、日々生い育つものに同じように心をかたむける人たちの間につながりをつくっていく。
たとえばミスター・マイルズをできるだけ外につれだそうとしているヘルパー、ノーラの話。
車椅子のミスター・マイルズが畑仕事をできる工夫をノーラは考え、ミスター・マイルズは種をまき、花を育てはじめた。ある日、夕立がやってきて、畑に来ていた他の人たちと一緒に近くの軒先まで走ったミスター・マイルズとノーラは、たちまち皆と知り合いになった。

▼…言葉は通じなくても、共通のものがたくさんありました。まずお天気。それから、害虫。それに、そもそも同じ場所で仕事をしているわけですし、なんといっても最大の共通点は、野菜の育ちぐあいを気にかける「親心」だったと思います。
 その夕立の日以来、たまに二、三日畑に行けない日が続いて、そのあとようやく出かけていくと、いろんな人から、「どうしました? だいじょうぶですか?」などと、声をかけていただくようになりました。種のように、わたしたちも、この畑に根を下ろしたんですね。(pp.68-69、「ノーラの話」)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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