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ためされた地方自治―原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年(山秋真)

ためされた地方自治―原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年ためされた地方自治
―原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年

(2007/06)
山秋 真

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『We』読者のSさんから、この本の著者さんとある会合でたまたま隣になりましたと教えてもらった本。近所の図書館には所蔵がなく、リクエストしたらヨソから相貸できた。

石川の能登といえば、志賀に原発がある(これは北陸電力)。珠洲にも原発計画がもちあがったことがあった(これは関西電力)。著者の山秋さんは、反対派と行動をともにしてきて、僅差で原発賛成派が勝った選挙の無効を訴える裁判をずっと傍聴してきた。これは、その記録。
山秋さんは"外人"とよばれ、「ヨソものが口を出すな」みたいに攻撃されたことがあったと書いていた。関電の電気を使って暮らしている私は、「関電の原発計画」というところで、ヨソものとは思えない。

基地やダムや原発は、地域を二分してしまい、人の関係をずたずたにするものだ、ということはいくつも聞き知っているけれど、読んでいてつらくなった。

選挙のことも、絵に描いたような買収があり、人の関係がねじれ…と、選挙監視団がヨソの国へ送られる前に、ここに来てほしいくらいや、ということが、基地や原発のような、都会には決して作られず、"地域振興"と抱き合わせにのまされるような場所で起こってるんやなあと思った。

いま、毎日新聞の日曜版で、報道カメラマン・三留理男による「目撃された戦後」という連載がある。6月13日は「島を二分した運動」として、60年安保と同じ頃に、伊豆七島、新島のミサイル試射場建設反対運動が起きていたという話が書かれていた。

1957年に持ち上がったこの試射場建設に対して、反対運動が盛り上がり、試射場の完成には6年かかったという。三留は、61年に、賛否で二分された島を長期取材している。

▼50年代後半から60年ごろは、東京西部の砂川闘争や沖縄の島ぐるみ闘争など軍事基地反対運動が相次いだ。新島闘争は、これらより地味だが、後の三里塚闘争(成田空港建設反対運動)にも似て、大型開発と地域社会という観点では、普遍的な問題を示している。

▼結局、村議会が試射場建設を認めて反対運動は敗れたが、いまだに、島は後遺症が残っているという。70年安保で僕の助手をした宮川寅男は、新島名産のくさや屋の次男で、小学生のとき、この闘争に遭遇した。宮川によると、島の人同士、今も何かあると「あの人は賛成派だった」「反対派だった」と言う。何十年たってもしこりは残る。開発が地域社会を分断し、壊した構図は、三里塚と同じだ。


珠洲の原発計画は、その後、計画から28年後の2004年に凍結された。それでも、こわれた人の関係は戻らない。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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