FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

ず・ぼん14号(ポット出版)

『ず・ぼん』という雑誌(号数がついているので雑誌と思っているが、流通上はISBNがついていて本扱い)を時々読むようになったのはいつからだったかな。

バックナンバーの目次を見てみると、『ず・ぼん』4号の特集「どうする、どうなる? 大学図書館」を最初の職場(某大学)にいた頃に注文したおぼえがあるから、たぶんそれが最初だろう。

「図書館とメディアの本」とサブタイトルのついたこの雑誌(本)は、だいたい年一回くらいのペースで出ている。とりあげられている話題は、この10年余りの図書館付近のうごきをよくあらわしていて、委託、コスト、非常勤職員、といった運営問題から、図書館=無料の貸し本屋という非難、図書館の自由、蔵書廃棄事件など図書館そのものの問題まで。

そして最新号の14号は「指定管理の現場」を特集。

指定管理では、運営費を、それまで公務員で運営していたときに比べて相当削って指定管理の事業者にまかせるという、安ければそれでエエのか?図書館の公共性って何?公務員って何?と思える問題もよく議論されるが、それとともに、公共図書館はどうあればいいのか?という話もこの号にはいろいろと載っていて、どの記事もおもしろかった。

前千代田図書館長・柳与志夫へのインタビュー「公共図書館の新しいモデルをつくりたかった」(聞き手は『ず・ぼん』編集委員でポット出版代表の沢辺均)は、図書館のヘビーユーザーを自認する私には、ドキンとさせられる内容だった。

・特定の人の本購入の肩代わりをしていないか
▽沢辺 …実は図書館って、ヘビーユーザーはリクエストから予約から、それこそ骨の髄までしゃぶりつくすほど使うんだけど(笑)、それ以外の人はほとんど縁がなかったりする。(p.67)

・公共図書館は「世界を案内する窓口」になることができる
▽柳 …千代田図書館の大きなコンセプトは、「天動説から地動説に変われ」ということなんです。千代図書館への批判に「蔵書が少ない」というのがあるんですけど、じゃあこれが三十万冊とか五十万冊あったら十分なんですかといったら、現在の情報量や知識量のなかでは、そんなに大した数じゃないんですね。だったらむしろ、「世界の情報を得られる」ことを第一に据える…
 …ようするに「世界を相手にする」窓口に、公共図書館がなるんだ、と。今後はそういうふうにしていかないと駄目だと思っています。極端な言い方をすれば、これまでは自分のところの図書館の蔵書になければ、それで終わりだった。もちろん相互貸借などのシステムはありましたが、いままでの公共図書館は、自分のところの蔵書しか見ていなかった。その発想を逆転させる。それが「天動説から地動説へ」ということなんですね。(pp.84-85)


そうです、私はしゃぶりつくしています。
自分が納めている住民税は図書館に捧げていると思うくらい使いたおしてます。
平均して週に3度は図書館に寄ります。
予約や未所蔵本のリクエストはしょちゅうしていて、本をもりもりと借りるのが主だけれど、レファレンスも時に利用。
自分でもいろいろ調べてみたが、なにかほかの探す手だてはないかと期待してお訊ねしたり、どうしてもどうしても気になったことを知りたくてお訊ねしたり。

自分の本棚が、図書館に延びているような感じ。感覚としては「ウチの書庫」。
借りる、読むというだけではない、新しい図書館像を考えてみるのに、こんどの『ず・ぼん』もおもしろい。

ず・ぼん 14号ず・ぼん 14号
(2008/08/19)
ず・ぼん編集委員会

商品詳細を見る


『ず・ぼん』の記事は、最新号と一部の古い号をのぞき、ほとんどがwebで読める。ぱらぱらと手にとって読むには、やはり本のかたちをした紙媒体がいいなあと私は思うけれど、近所の図書館にない号(行方不明なのか未購入なのか、ない号がある)の記事をちょっと読みたいときには、便利だ。
ず・ぼん全文記事(バックナンバー)
Genre : 本・雑誌 雑誌
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/14-f8b5cbfe
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ