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ジェミーと走る夏(エイドリアン・フォゲリン)

ジェミーと走る夏 (ポプラ・ウイング・ブックス)ジェミーと走る夏
(2009/07)
エイドリアン・フォゲリン

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ヨソのブログで、ちらっと表紙画像を見て(走る話かなー)と思い、もしかして『ハートビート』みたいな話かなーとも思ったりして、近所の図書館にあったので借りてきて、積んでいた。

読みはじめは、訳文がビミョウに自分にあわないようで、ちょっとのらなかった(「翌朝」に「よくちょう」といちいちルビが振ってあるあたりがとくに)。おしまいまで読まずに返すかなと思いながら、しばらく読んでいると、だんだんやめられなくなってきた。
12歳のキャス、6年生の夏休み。休みが明けたら、7年生になる。隣家のおばあちゃん、ミス・リズが亡くなったあと、売りに出された隣の家に越してくることになったのは黒人の家族だという噂をきいて、キャスの父さんは隣家とのあいだに、えらく立派なフェンスを建てた。

キャスは、父さんが建てたフェンスの節穴ごしに隣家をのぞいていたのを、隣のジェミーにみつかる。お互い「走るのが好き」「自分のほうが速い」と言いあうジェミーとキャスは、翌朝、学校のトラックで走る。

「あんた速いじゃない」「あんたもね」と互いに認めあったふたりは、また明日とわかれる。

父さんが黒人ぎらいなのをわかっているキャスは、父さんには内緒でジェミーと走り続ける。ジェミーもまた、母さんが白人の人種差別主義者を、つまりは黒人が引っ越してくると知って高いフェンスを建てた隣家をきらっていることをわかっていて、母さんに内緒でキャスと走り続ける。ふたりが友だちだとわかってくれるのは、ジェミーのおばあちゃん、そしてUSAストアのミスター・G。

ある日、そうして一緒に走ってきたふたりの関係が、キャスの父さんにもジェミーの母さんにもバレた。すぐ隣に住んでいながら、会えないふたり。親から「会うな」と言われるふたり。

あるできごとから、ふたりは、また一緒に走れるようになった。

キャスとジェミーの関係が主として描かれるこの物語のなかで、ジェミーのおばあちゃん、そしてキャスの父さんやジェミーの母さんといった登場人物にくらべると、キャスの母さんの影は薄い。でも、私にはキャスの母さん・ローラの姿が強く印象に残った。夫の言うことにさからえず、けんかはしたくないのだと言っていたローラが、ジェミーが走れるように、夫の目を見てしっかり話した姿がとくに。

黒人と白人の学校が分離されていた時代を知っているのが、キャスの父さんやジェミーの母さんたち。ジェミーのおばあちゃんは、ローザ・パークスのように、ボイコットをして、「侮辱を受けてバスに乗るよりは、尊厳のために歩く」道を選んだ世代。

この著者の最初の本はこっちの『ジェミーと走る夏』だが、翻訳では先に『シスタースパイダー』が出ているというので、図書館にリクエストしてきた。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第68回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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