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このところ読んだ本など―ハウジングプア/こんな私が大嫌い

ハウジングプア こんな私が大嫌い! (よりみちパン!セ)

諸般の事情で入稿を遅らせた『We』も今週いよいよ入稿で、ぞろぞろゲラが流れてきて最後の校正。ファックスが多すぎて、巻き紙をまた取り換える。目がものすごく疲れている。しかし、つい本を読む。

『We』入稿がすんだら、こんどの金と土は京都での集会「ベーシック・インカムで繋がれるか・変えられるのか」『We』売りも兼ねて行く予定。当日くばるチラシもつくった。

くたびれ気味ではあるが、今日はこんなHPをおしえてもらって、めっちゃイイな~と見るだけでわくわく。『We』読者アライさんの娘、写真を撮る人・ハルイさんのHPです。
「ひかりがあれば そこがスタジオ」(トップページは歌がながれます)
稲葉剛『ハウジングプア 「住まいの貧困」と向きあう』山吹書店
この本が出た頃から、図書館に入るかなと様子を見ていたが、どうも入らないようなのでリクエストしたら、ヨソの図書館から相貸できた。買わんのか~

稲葉さんは「住まいの貧困(ハウジングプア)」という概念をつくり、これまでバラバラに報道され、論じられ、行政でもバラバラに対策が考えられていた問題(ホームレス、ネットカフェ難民、派遣切り、個室ビデオ店放火、無届老人ホームの火災…)は、「貧困ゆえに居住権が侵害されやすい環境で起居せざるを得ない状態」(p.14)という点で同じ問題なのだと示そうとした。

それまでにも「もやい」では「広い意味でのホームレス状態」という言葉は使ってきたそうだが、日本でいま使われている「ホームレス」は、屋根のない状態、野宿や路上生活を指す狭い意味で定着してしまっていて、なかなか「広い意味」は伝わらなかったという。

この本では「ハウジングプア」はどういう状態か(屋根がない状態だけでなく、屋根があっても家がない状態、家があっても居住権が侵害されやすい状態を含む)、こうした「ハウジングプア」状態に陥る人が増えているのはなぜか、それに対して行政はどのよう施策をこれまでとってきたか、そして今後「ハウジングプア」をなくしていくために、どのようなことができるかを書いている

稲葉さんは、もっと安く暮らせるようにならないと、と考えている。「暮らしを営む上での最低限必要なこと(ベーシック・ニーズ)」をなるべく低コストで手に入れられるようにしていくことが、もっとも現実的ではないかと書く。具体的には「月10万あれば安心して暮らせる社会にする」(p.210)こと。

私自身、長々と学生だった頃に、家賃2万5千円のアパートを借りて、月10万ほどで暮らしていた(私は授業料免除をほぼすべて受けられたので、生活費を稼ぐ以上にアルバイトをせずにすんだおかげもある)。東京では、なかなかそういう物件はないらしいが、私は、家賃が2万台なら、よほどの大病でもしないかぎり、ぼちぼち稼いでなんとか暮らせるという実感はずっとある。私が借りていたのは、築何年か分からないくらい古い木造アパートだったが、震度4の阪神大震災にも耐えたし、トイレは部屋にあり、共同の風呂があった。大家さんはいい人で「学生さんなら」と保証金は3分の1にまけてくれて、家賃も2千円さげてくれた。初期費用の安さは大きなポイントである。

この本には、稲葉さんの文章の合間に「ハウジングプア体験」として、年輩の人の話や、20代、30代の若者の話など、5つの文章がおさめられている。

中でも、大阪の空襲で家族と住まいを失った「小島信二」さんの話は、父と同い年の人なんやと思うと胸がつまった。小島さんは、名前が二つある。戦災孤児どうしで身を寄せ合って暮らしていた頃に、服がいれかわったらしく、「小島信二」は、その服の持ち主の名なのだ。

1990年代には、小島さん世代の路上生活者はたくさんいた、その中には小島さんのように戦災で家族を失った人も少なくなかったと稲葉さんは記している。小島さんは父だったかもしれないと思うし、涙を流しながら中国残留孤児の報道を見ていた母を思い出す。

稲葉さんは、学校などで講演する機会があるときに「なぜあの人たちはホームレスになったのですか?」という質問をよく受けるそうだ。そういうとき、稲葉さんはこう問い返すことにしているという。

「なぜあなたは路上生活になっていないのですか?」


次の『We』165号では、稲葉さんのインタビューを掲載する。

中村うさぎ『こんな私が大嫌い!』理論社(よりみちパン!セ)
しばらくパン!セを見てない間に、新しいのが出ていた。いよいようさぎもパン!セに登場か~ うさぎが整形したあとの心模様について書いたところがおもしろかった。

▼私、整形してよかったと、ホントに思ってる。でもね、それは私が綺麗になって自分の顔を好きになったからじゃないの。
 じつは、整形には、思いもよらない効果があったのよ。

 「整形して顔を変えちゃったんだから、どうせ、これは私の顔じゃない」

 整形してからの私は、自分の顔について、そんなふうに思うようになった。そしたら、すごくラクになったんだよ!
 …(中略)…
 整形してからは、「綺麗」って言われようが「整形したくせにブス」って言われようが、何とも思わなくなった。だって、これは私の元々の顔じゃなくて、ドクターの作った顔だもん。
 …(中略)…
 そう。整形した途端に、私の顔は、私のものではなくなった。「私の顔」なんだけど、「他人の作品」でもあるから、「100%私自身」ではないわけよ。すると、「ブス」という否定的な言葉を投げかけられても、「自分を否定された」ような気がしなくなったの。(pp.35-37)

ここを読んで、へええええええ、と思った。私はなぜかいつの間にか「整形」について勝手な印象をもってるなとも思った(その勝手な印象を、私はいつどこでもってしまったんやろうとも思った)。

自分を笑い飛ばせるようになれたら(=自分自身のことを距離をもって見られるようになれたら)だいたい大丈夫、とか、「短所」と「長所」は同じ部分の裏表なんじゃないかとか、さらさら~と読めるなかに、くっ、と心にひっかかる話があった。

そして、今日図書館の新着棚で見た、ホーキング青山の『差別をしよう!』という、ちょっと驚くタイトルの本が気になるのだった。今日は2冊返して2冊借りて、カードいっぱいなので、近いうちに借りてみたい。
 
Comment
 
 
2010.03.24 Wed 23:58 らんどく  #vZbA1Su2
ハルイさんが、こんなHPがいい!って思ったという、
「エゾアムプリン製造所」
http://www.amupurin.com/

たしかにイイ。そして、うまそう…
こんなHPがイイ  [URL][Edit]






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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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