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詩と死をむすぶもの(徳永進、谷川俊太郎)

昨晩はためこんでいた「ブックマーク」の会費入金のチェックをして、住所変更など名簿を整理して、えいやーと宛名シールを印刷。これでやっと苦手な作業が終わり、だいぶ気が楽になった。その都度その都度、できる人はできるのだろうが、何度か「こんどこそ」とやろうとしてみたものの私には無理だと自覚し、「ブックマーク」に関するものはココに入れておくという箱を決めて、とにかくそこへ入れる努力をしている。(見落としているハガキや封筒がありませんように…)

今日は帰ってきたら、送ってもらった「栞」が届いていて、「表紙のしおりの絵」を早速描く。これでまた少し気が楽になって、あと少し残っていた『詩と死をむすぶもの』を読んでしまう。

人間て、泣くか笑うかどっちかではなくて、泣くと笑うがごちゃ混ぜだとか、相反するものが共存してないと大切な空間はつくられないとか、ごちゃごちゃとしたことが書いてあって、読んでいてほっとする。
詩と死をむすぶもの 詩人と医師の往復書簡 (朝日新書)詩と死をむすぶもの
(2008/10/10)
徳永進、谷川俊太郎

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▼現代の医療は、科学的なエビデンス(画像診断や血液検査など)に基づいた医療(EBM=evidence-based medicine)が中心であり、物語に基づいた医療(NBM=narrative-based medicine)が忘れられる傾向にあると指摘されることがある。そういう傾向は認めるが、だからと言って、NBMの一人歩きで医療は成立するか、と問うと、それは難しい。EBMの一人歩きも医療を成立させられない。大抵のことがそうなんだけど、相反するものが共存してないと、大きな働き、大切な空間は作られない。臨床も、豊かな矛盾に満ち満ちて、息づく所。(p.13「朝の申し送り」進)

『死ぬ瞬間』のシリーズでユウメイなエリザベス・キューブラー・ロスのことも、その整わぬ人生が紹介されていて、私は『死ぬ瞬間』ほか数冊は母の病気が分かった頃に読んだけど、人の死や死にゆく他人について、あれだけスパスパと分析していたエリザベスがぐちゃぐちゃしてるところは、私もいいなと思った。

▼エリザベスがトランスパーソナル(霊能)な世界に入っていき、尊敬する指導者にだまされる体験を本(『人生は廻る輪のように』)で読んで、あんな風にエクセントリックにはなれないなあと思いながら、そこにエリザベスの本質の一端があるのだろうな、と思いました。神に祝福された〈ハンカチに包まれた土〉から医学を学び始め、がんであること、死を迎えることを受け容れる力が人間の底に隠されていることを世界に伝え、人々を励まし、そして自身は人々の励ましを拒み、孤立の中で神を罵るというめくるめく人生、整わぬ人生。なんだかいいな、と思って、それでにっこり、笑っちゃったんです。すがすがしかった。(pp.145-146「死と握手」進)

そして、徳永進の臨床ドキュメントの数々について、谷川俊太郎がこう語る。

▼谷川 …その現場報告的なドキュメントがすごく面白くて、それは活字で読んでも面白いんだけど、もっと面白いのは彼が話すとき。…これは、訴え方が違うんです。活字で読んでもやっぱりそれはちょっと泣きたくなるんだけど、声だとインパクトが違うの。しかも、ユーモアと一緒に下手なハーモニカなんかを吹いたりするから、気持ちがごちゃごちゃになるんですよ。片一方は笑っていて、片一方は泣いているみたいな。それがすごいいいんですよ。それもほんとに二元論で、泣くか笑うかのどっちかだってみんな言うけど、実際そうじゃなくて泣くと笑うがごちゃ混ぜになっているのがすごい深いんですよね。(p.220「【対談】もとのもとは1」)

私は、ライブ風に仕立てられた報告はいくつか読んだことはあるけれど、徳永進のライブの話はまだ聞いたことがない。本を読むだけでもおかしくて、おもしろくて、泣きそうになったりする。でも、下手なハーモニカを吹きながらとかいうその話を、いちど聞いてみたいと思う。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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