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ハンス・フィッシャーの世界展(伊丹市立美術館)

暮れだったか年明けだったか、新聞の小さい記事で、伊丹は次は「ハンス・フィッシャーの世界展」だと知った。『こねこのぴっち』の作者である。

ハンス・フィッシャーの世界展

日曜に、映画をみたあと見物に行く。
作品数はかなり多く、2階の2室と、地下すべてと、さらに工芸センターも使っての展示だった。この人、絵を描くのがめっちゃ好きやってんなあ、と感じた。見ていて楽しかった。

2階の第一室は、「こりゃ絵巻みたいな異時同図法ではないか」とおもしろかった。同じ画面の中に、複数の時間が一緒に描かれているというやつ。一枚の絵の中に、物語の流れがある。

「ブレーメンのおんがくたい」と「いたずらもの」は、お話つきでの展示。「ブレーメンのおんがくたい」といえば、ろばと犬と猫とにわとりが、4匹つみかさなって、一斉にぎゃおうぎゃおうと鳴く場面しかおぼえていなかった。それで誰かをびっくりさせるような話だったような…。会場には、その場面の音声のつもりであろう、動物の鳴き声を重ねたような音がくりかえしくりかえし流されていて、ちょっとうるさかった。

そうか、老いぼれになり、主人たちにお払い箱にすると宣告されたこの動物たちが、ブレーメンの音楽隊へゆけば、自分たちにも立つ瀬があるかもしれぬと旅する話だったか。それで…

話を読みつつ原画を見ていて、この動物たちは、泥棒(だとなぜわかったのかは謎であるが)たちを追い出して、その住処を乗っ取ってしまうのか、略奪者やないけ、なかなかヒドイ話やなーと思う。

隣に展示されていた「いたずらもの」も、似たようなヒドイ話であった。最後は宿屋で無銭飲食したあげくにバックレて行方をくらます話である。

地下で展示されていた「長ぐつをはいたねこ」は、もう少し話をおぼえていた。粉屋の3人の息子が、遺産分けをして、上の兄ちゃんがエエのをとってしまい、末っ子は猫だけ、その猫でわらしべ長者…みたいな話だったような。しかし、私の記憶とは少し違って、原画を見ながら話を読んでいくと、わらしべ長者というより、たいした詐欺師の猫である。

ただの大人の感想だろうが、なんだかどれも、えらいことヒドイ話である。これは「痛快な話」と思って読めばいいんか~???と、今更ながら、思ってしまった。「ブレーメンのおんがくたい」や「長ぐつをはいたねこ」は子どもの頃によんだはずだが、私は何を思ってたんかな~と考えた。

グリム童話だとか、昔話はなかなかスゴイ話が多かったはずだが、洋モノの昔話も日本の昔話も、ちょっと読んでみようかと思ったのだった。

こねこのぴっち (岩波の子どもの本)そういう意味では、「こねこのぴっち」と、その前作のような「たんじょうび」の展示は、穏やかな心で見ることができた。
 ←私が子どもの頃によんだのはこの版。

客層はふだんとやや違って、若い女性連れが多かった。そして田辺聖子展並み(これは隣の柿衞文庫の企画だったが)の盛況だった。

「ハンス・フィッシャーの世界展」
伊丹市立美術館で3月7日(日)まで
Genre : 日記 日記
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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