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『We』入稿直前の読書メモ

『We』入稿が近づくと、ぞろぞろとファックスでゲラがきて、添付ファイル付きのメールもばんばんくる。校正してファックスを送り返し、添付ファイルをひらいて、修正箇所をチェックして、疑問点などを書き込んで送り返す。

そういうのを朝からずっとやっていると、頭が詰まったみたいになってくる。校正はすきなほうやし、文字を読むのもきらいではないが、ファックスでちょっとにじんだような文字と液晶画面に表示される文字を長いこと集中して見るのは、さすがにくたびれる。

そんな仕事をやりすぎると頭がクルクルーとしたりするので、いくら忙しくても、頭の風通しのためにも、ほかの本をぴらぴら~と読んだりする時間はかならず必要。

入稿直前の詰まった仕事の合間に読んだ本。

グアテマラの弟  養老院より大学院―学び直しのススメ  不完全燃焼、ベビーバギー、そして暴力の萌芽について  日本人が知らない恐るべき真実 ~マネーがわかれば世界がわかる~(晋遊舎新書 001)

片桐はいり『グアテマラの弟』幻冬舎
映画「かもめ食堂」や、こないだ見た映画「なくもんか」などにも出ている、あの背が高くて、四角い顔の俳優/片桐はいりのエッセイ。先にもう一冊あるそうなのだが、こっちをまず借りてきて読む。

おもしろい。おもしろすぎてイッキ読みしたうえに、(ほかに書いてないんか)と本を探すも、もう一冊しかないようで、その『わたしのマトカ』を早速予約。

この本は、年明けに亡くなられたAさん(『We』読者で、「ブックマーク」読者でもあった)が、去年「ブックマーク」に送ってくださった読んだ本リストの中から借りてきたもの。Aさんは、図書館へ予約したら先に『グアテマラの弟』のほうがきて、そっちから読んだというので、私もその順で借りてみたのだ。

内舘牧子『養老院より大学院―学び直しのススメ』講談社
こないだ読んだ『女性たちの大学院』と似た系統の本といえるが、読者をもって長く書いてきただけあって、やはりこっちのほうが文章がうまい。読ませるし、笑わせる。

「大相撲研究」のため、宗教学の院へ行くことにしたウチダテさん。「受験勉強のやり方に失敗」という章を読んでいて、思わず爆笑。

▼それまでの私は、「信仰」と「宗教」の区別もつかず、「神学」と「宗教学」の区別もつかないレベルである。試験ではきっとキリスト教や仏教についての問題が出るのだと考え、何と『仏教の基礎知識』だの『イスラム教の用語解説』だのという書籍を買ってきたのである。
 そして、これらの「受験参考書」を常にバッグの中に入れておき、人目がないところでは赤線を引きながら、必死に暗記していった。(pp.35-36)

『仏教の基礎知識』だの『イスラム教の用語解説』だのという本が「ある」ことも初めて知ったが、そんな本をどういう人が買って読むんかというと、こういう人が買うんか(笑

ここは誤字?
▼…どの授業も面白くて面白くて、「血湧き肉踊る」だったし…(p.109)
ウチダテさんは、オモロイことがあると血が増えるのか? これはやはり「血沸き肉踊る」ではないのか?

この本、今は文庫に入ってるというし、社会人といわずとも、院へ行こうかと思う若者が読んでもよいかもしれない。

三砂ちづる『不完全燃焼、ベビーバギー、そして暴力の萌芽について』毎日新聞社
これも『We』読者であるHさんオススメの本。こないだ読んだ『月の小屋』がおもしろかったので、こっちの小説も読みたいと思っていたが、近所の図書館にはまだ(?)入っていない。買うか~と思っていたら、Hさんが貸してくれるというので、ありがたく借りる。届いてから毎日一話か二話ずつ読んだ。

「人生の真実」を相談する"先生"がパンダだという、そこだけ聞くと川上弘美の小説か?と思うような話がさいしょ。着ぐるみにもぬいぐるみにも見えないパンダを相手に、38歳・ユカリは、母親のことを話す。自分は母親のことが好きだが、母のほうは自分のことをどうでもいいみたいだ、自分より妹のほうがかわいいみたいだ、そういうことをパンダと話しながら、ユカリはパンダに「なにか、不都合がありますか? お母さんがあなたのことを愛してない、ということで」と訊かれて、不都合はないと答えながら、泣けてくる。

パンダはこう諭す。「先に逝った人たちのことを何も知らないと、今を生きることは全部自分の責任になるから、つらいんですよ。」

表題作(えらい長いタイトルだが)は、赤ん坊になる前のタネ(?)であるところから、母親になる人を観察してきた「オレ」の語りがはさまる話。「赤ん坊はなんにもわからないだろう、と思って育てる親は、そりゃ後から大変さ。」という、生まれてきた「オレ」の語りが、ちょっとこわい。

前に読んで、ビミョーという印象が残ったままの『オニババ…』本を、もういっぺん読んでみようかなと思ったりした。

安部芳裕『日本人が知らない恐るべき真実~マネーがわかれば世界がわかる~』晋遊舎新書
これは、まるでマユツバのようなタイトルの本だが、いいんですよという『We』読者のIさんのオススメを聞いて、借りてきてみた。たしかにこのタイトルだけでは、ただの煽り本のように思えて、どなたかの手引きがなければ読まなかったかもと思う。

これは、もとは同じタイトルのブログ「日本人が知らない 恐るべき真実」に書かれた文章を、データなどを新たに修正の上まとめたものだそうである。なので、大筋のところは、ブログの過去記事をたどって読める。しかし、本のかたちになってもらったほうが読みやすい。

サブタイトル「マネーがわかれば世界がわかる」のとおり、これは現行のカネの仕組み、流れ、その世界的な意味あるいは日本にとっての意味を書いたもので、今のカネのあり方の問題点を解いた上で、別のかたちの、オルタナティブなカネとして地域通貨の可能性を説いている。地域通貨についてこの人が書いた『ボクらの街のボクらのお金』という本もあるそうなので、こんど読んでみようと思う。

たしかに「知らない真実」がいっぱいあった。内容もIさんのおすすめどおりよかったが、「まえがき」「あとがき」にガンジーの言葉が引かれていることが、私には印象深かった。『非暴力ってなに?』をまた読みたくなった。

私が借りる本は古かったりマイナーだったりするせいか、予約がついていないことが多いが、この本はめずらしく後ろに2人の予約待ち。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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