FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

ひげのおばさん子育て日記―子育てに悩む世代へのエール

中畝ファミリー水曜は、松原での中畝さんの講演会「ひげのおばさん子育て日記―子育てに悩む世代へのエール」へ本ウリ係として行く。

朝8時ごろにウチを出て、久しぶりにかなり込んだ電車に乗る。梅田で乗り換え、天王寺で乗り換え、1時間半ほどかかって会場の松原市役所に到着。建物てっぺんの会議室が会場である。
中畝さんと進行の中村さん@フェミックスが直前の打ち合わせをしている間、私は配布資料の封筒にWeと『ひげおば』のチラシを入れさせてもらい、すでに中畝さんが「絵はがき」見本や、ひげおばイラストのパネルを展示しているところの机で、本やWeを並べて支度。

ものスゴイ知名度があるわけではないし、今日来られる方は学校を通じてとか婦人会を通じてとかの"動員"がほとんどのようなことを聞く。少し遅れてきた方もあったが、会場はゆったり満席。50~60人くらい?

ややボソボソとした感じで話が始まる。2人のなれそめ、出産時の酸欠で重い障害がのこることになった祥太をもってジタバタとしたこと、障害を軽くすると頑張ろうとしたこと、2人目の子をもって子育ての楽しさを初めて感じたこと、ヘルパーさんや近所の子育て仲間が出入りして"家族をひらく"ようになったこと、祥太がいてずっと家にいることが人の助けにもなると気づいたこと、「助けて」と言えることが自立、仕事とウチの中のこととでは「ウチの中のことをやってる方が絶対にエライ」と思うこと…

ところどころ、中村さんが、話がずれていくのを引き戻しつつ、中畝さんちと一緒に子どもを育ててきたことや祥太のことを語る。

祥太が亡くなってからだが、私も中畝さんちで何度かご飯を食べたことがあり、『ひげのおばさん子育て日記』は校正もしたからみっちり読み、追悼文集『祥太といた時間』も何度か読み、中畝さんの「これまで」のことは、もうだいぶ知ってるつもりでいた。

でも、こうしてライブで話を聞くと、そんなこともあったのかーと思うこともいろいろあるし、自分がよく分かっていなかったなーと思うこともある。

たとえば「座位がとれない」ということ。祥太はずっと首がすわらない状態で、座位がとれず、だから「ずっと抱っこ」だった。座位がとれないって、そういうことかと気づく。

祥太の反応が少なく、子育てが楽しいと思えなかったという治子さん。起きている間はほとんど泣いていて、笑顔がかえってこないから、2人目の友雄がうまれて、こんなにラクなのか!こんなに楽しいのか!と思ったという話を聞いて、もし、治子さんと常雄さんが、祥太の"障害を軽くする"ことに懸命になり、訓練を頑張り続けていたら、どうなっていただろうと思った。

話の途中で、『ひげおば』の中の、「頑張るは今を否定すること」と、「迷惑をかける」を中村さんが少し紹介した。

障害児もいるよ ひげのおばさん子育て日記子育て中は、頼んだり謝ったりすることばかりだ。子どもを与ってもらったり、子どもが何かしでかしたり。これが障害児となるといっそう多い。その時、「人に迷惑をかけるから頼めない」と思ってしまうと、生活が成り立たない。けれど人に頼らずがんばる人は多い。自分では満足かもしれないが、周りから見ると危なっかしい。

 一方、頼まれる側に回ってみると、さほど大袈裟なことではない。嫌ではない。頼まれたこと自体が嬉しいし、何とかしてあげたいと思う。よその子を預かってにぎやかになると、家族が増えたようで得した気分になるし、自分の子と違う関わりは発見があっておもしろい。難しければちょっと無理、と断るかもしれないが、もっと気楽に頼んでいいと思う。

 頼んだり、頼まれたりを繰り返すうちに、「迷惑をかけてもいい、借りっぱなしでもいい、いつか返せることがあるかもしれないし、借りた人に返せなくても、違う人に返せることもあるさ、それでいいことにしよう」と考えることにした。「手伝って」と声を出せば、助けてくれる手も出てくるかも知れない。「楽しかった、また預からせて」と言われるかもしれない。それに「障害のある人と関わると、反応がストレートで、すごいパワーをもらえる」と喜ぶ人もいる。そういう《感度》のいい人がもっと増えるといいんだけど。

 頼む方も頼まれる方も慣れればいいんだ。頼んだり、断ったり、気楽にできるように練習すればいいんだ。そうやってつながっていく方が、人生も楽しそうだ。自己主張トレーニングにも組み込んでもらおうかな?
(「迷惑をかける」より、pp.47-48)


…『ひげおば』を出してくると、ついついまた読んでしまう。

常雄さんが、算数や英語が苦手という人がいるみたいに、「子育てが苦手」っていうお母さんもいると思うんですと話していた。「私は苦手です、だから助けて」って、助けを求めることができれば、苦手でも大丈夫だと思うんですよねという常雄さんの話を聞きながら、なかなかそれができんのやろうなーと思っていた。

私は一番うしろの本売り場で座って聞いていたが、自分でぜひと思ってというより"動員"で来た人が多いにしては、うなずき、乗り出し、メモをとりながら聞いている人がたくさんいて、笑いも何度かあり、いい感じだなあと思った。

終わってからも、『ひげおば』や、中畝さんの絵はがきや、『We』を見て買ってくださる方もあり、たいへんありがたかった。

松原でのお客の呼び込み作法がどんなものなのか分からないが、市役所入口やエレベーターの前や、エレベーター内部にポスターやチラシくらい貼ってあるのかと思ったら、そんなのは全くなかった。まちがえて他の階へ行ってしまった人が、その階の部署で講演会のことを訊ねたら、すぐに分からず、大捜索のうえやっと分かったのだそうである。いや、そりゃいろんな部署があるけど、そんなもんなん?"人権講演会"というからには、希望する職員が聞きにきたっていいんちゃうんと思ったのであった(私はてっきり、そういうためにも役所が会場なのかと思っていた)。

そして、「さいしょの挨拶」も「おわりの挨拶」も、どちらも紙に書いたものを、もったらもったら読みあげた役所のナントカ長さんはイケてなかった。さいしょはともかく、おわりの挨拶を、話を聞く前から「聞いた風に」書いておく神経がどうなのかと。その場で聞いた話の感想をひとつふたつ交えて挨拶するくらいのことが、できんものなのか?

そもそも松原に中畝さんをよぶことになったきっかけは、中畝さんの絵を見た職員さんが、中畝さんから絵はがきを買われ、そのときに中畝さんがこんな本も出しましたと案内したら本も買って読んでくださったことなのだそうだ。その中畝さんに「愛」のある職員さんが、その思いをこめて「挨拶」してくださったらいいのにー、とそれがじつに残念だった。
Genre : 日記 日記
 
Comment
 
 






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
Trackback
 
 
http://we23randoku.blog.fc2.com/tb.php/1179-ef4272e1
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ