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だれでも一度は処女だった。(千木良悠子、辛酸なめ子)

よりみちパン!セの一冊。先に『童貞の教室』を読み、まるで対のようなこのタイトルを借りてきて、なかみも似たようなものかと思ったら、全然ちがった。

だれでも一度は、処女だった。 (よりみちパン!セ)だれでも一度は、処女だった。
(2009/02/19)
千木良悠子
辛酸なめ子

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あちらは、自分自身の童貞時代をもとに、童貞の悶絶、モウソウ、勘違いや思い込みをぐりぐりと書いたものだったが、こっちは「処女(あるいは処女喪失)」について、母にはじまり、女の人(若い人から年輩の人まで)、処女の人、男の人(若い人から年輩の人まで)、さらに専門家、祖母、再び母、そして自分の記憶にも聞いてみた、というのをたくさん集めた本なのだった。(男の人に聞いてみた中に、『童貞の教室』の著者・松江哲朗も入っているところがナイス!)
私も、韻を踏んで、PC広辞苑(六版)で「処女」を引いてみた。

しょ‐じょ【処女】
(1)(「家に処いる女」の意)未婚の女。まだ男性に接しない女性。きむすめ。
(2)(接頭語的に)
 (ア)人が一度も手をつけず、自然のままであること。「―峰」
 (イ)初めて物事をすること。今までに経験のないこと。「―出版」

ついでなので、「童貞」も引いてみた。

どう‐てい【童貞】
(1)まだ異性と交接していないこと。また、その人。主として男子についていう。「―を守る」
(2)カトリック教で、尼僧の称。

この、ビミョーな違いがいかにもおかしい。
処女は「まだ男性に接しない」で、童貞は「まだ異性と交接していない」。

巻末の対談で千木良悠子と辛酸なめ子も語っているが、「なにをもって「処女喪失」なのか」というのは、この「接しない」と「交接しない」の違いにも似た奥深さがある。

この本には、話をしてくれた人の話だけが入っていて、アタリマエだが話してもらえなかった人もたくさんいるらしい。世代差や、都市部と地方の差も大きいようだと千木良は話している。

清水良典による「文学のなかの処女」を読んでいて、あーそういえば、吉田秋生の『夢みる頃をすぎても』に、「キスもしてなかったのに、いきなりフルコース」という処女喪失が描かれていたなあと思いだした。

初めて書いた作品です、という意味ではなくて、斎藤美奈子の「妊娠小説」風な意味で、「処女小説」や「処女マンガ」を探ってみるのもおもしろいやろうなーと思った。

取材を終えた千木良は
「処女」ってとても興味深い概念だと思うのです。(千木良、p.322)
と語っている。

「処女」はエイゴでいえばvirginであろうに、なにゆえ「女」がつくのか?(広辞苑も、童貞の語釈のほうがその点ニュートラルである。)
lost virginは、いつ、いかなる状態をもって定義されるのか? 等々。

辛酸が描いた扉のカットや各章のマンガもあわせ、なかなか類書のない本やろうな。
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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