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ジャングルようちえん/街をこどもたちのジャングルに(ジャングルようちえん)

7月の終わりにアトム共同保育園へ行ったあと、共同の保育や自分たちで保育の場をつくるということを考えていた。

むかし、自分が共同保育所へ預けられていた頃の連絡帳を実家から持ち帰り、じっくり読んでみたり、父にほんの少し話を聞いたりしていて、そういえば長居公園で自分らで保育をやってるというのがあったなあと思い出して「ジャングルようちえん」のサイトを久しぶりに探してみると、20周年記念誌が出ていた。

その表紙の写真がよくて、サイトにある子どもたちの遊ぶ姿もよくて、何より「自分たちでつくった保育の場」の話を読んでみたくて、20周年記念誌『ジャングルようちえん』を取り寄せた。いっしょに、1987年にジャングルようちえんが誕生してからの6年をまとめた『街をこどもたちのジャングルに 手づくりようちえん奮闘記』もいっしょにお願いした。

 jungle_20.jpg  jungle_6.jpg
↑裏表紙の子どもの顔も、すごくイイ。
ジャングルようちえんとは、こんなところ
▼園舎もない、先生もいない、決まったカリキュラムもない、「外遊び」を基本とした、母親の手作りようちえん。「自主保育」とも言う。子どもたちは、遊具などなにもない自然の中で、一日中、好きなように遊ぶ。(『ジャングルようちえん』、p.6)

大切にしていることは、
「自分でできる事は自分でする」…リュックは自分で持つ。お弁当は自分で食べる。目的地までは自分の足で歩く。etc
「『子どもの世界』をつくるため、大人は極力口出しをしない」…子どもたちが自分で楽しみを見つけていく事のできる、ゆったりとした時間を過ごしてほしい。
「子どものケンカは極力、見守る」…子どもにとって大切なのは、集団の大きさではなく、一人と一人の関係。くやしい気持ちや悲しい気持ちも「体で」味わって、自分なりに折り合いをつけて生活をしてほしい。
(pp.6-7)

母親たちは1日2~3人が交代で当番に入り、危険がないか見守るとともに危険なこと以外の口出しは控え、子どもの様子を日誌につける。
月に1度の当番会議で、どんなささいなことも話し合うという。
それは、「大切な子どもを預けあうのだから、「大人同士の信頼関係」は非常に重要。「本音」で語ることにより、解決策も見え、信頼関係もできてくると考えて」(p.9)いるからだ。

日誌の抜粋「子どもたちの世界」で子どもたちがどんな風に遊んでいるかがわかる。そして今のメンバーたちが「母ちゃんたちの「ほんまのところ」」を書き、20年のあいだに"卒園"していった子どもたちの今の声が集められている。

もうひとつ、巻末に「大阪自主保育グループ交流会」のもようが収録されている。いろんなことが語られていて、この部分もじつにおもしろい。印象に残った発言の一つは「子育てに直接関係していない層にもこういう考えの保育がありますよと、知らせていきたい」というもの。
▼…自主保育での関係性って、それぞれがそれぞれで居られる事が私はすごい素敵やなと思うんです。それは学校ともちがう、会社ともちがう、他にはないこの「感じ」をもっと広めたいんです。こんな子育てもあるよ、頑張ってるよ、楽しんでるよって、学生でも、おじいちゃん・おばあちゃんでも、サラリーマンでも、いろんな人に知って欲しいと思うんです。(p.109)

ああ、いいなあと思った。もちろん「子どもがいる、子どもを今育てている」人の直接性に比べれば私が興味をもつのなんか屁のようなものやろうけど、長い長い目でみると、子どものこと、子どもを育てることが、産んだ親とせいぜい血縁関係くらいの間の「責任」とか「負担」と思われている間は、子育てしんどい説は消えんやろうと思う。

この声に応じて、こんな発言がつづく。
▼子育てはしんどいという考え方は、最近はありますよね。私が行かせたい幼稚園が無いと思うのも、一般にある幼稚園は「育児がしんどいから早く離れたい」という親のニーズに対応した楽な幼稚園が多いと感じるんです。
それ以前にも子どもを産んだらしんどいという考えが社会にあると思うんですね。
だから、子育てってほんとはそんなに大変じゃないよって社会にフィードバックしたいという気持ちは、すごくあります。自主保育をしていると、「ようそんな出歩くなぁ、しんどないの?」って言われるけど、仲間ができて、子どもが楽しそうに大きな木の下で走り回っている、それだけで親も癒されると思うんです。
みんなそういう前向きな気持ちで育てられたら楽しいかなって思いますね。(pp.109-110)

この発言も印象に残った。
▼…私が一番迷ったのは、保育園へ子どもを預けて働くかどうかということ。それまでしてきた仕事があったので、子育て期をどう選択していくのかは、すごく迷いました。今は3人目まで自主保育で育てようと思っています。仕事に戻れるのかという不安はありますが、このジャングルという場でできた関係の中での子育てのとても大切な気がするので、もう迷いは無いです。(p.111)

その「関係の中での子育て」は、こういうことでもあるのだと思う。
▼…やはり子育てって、子どもをしっかり見るほど楽しみが発見できると思うんです。それもひとりの目じゃなくて、みんなの目が集まった方がもっと発見が多いですよね。うちの娘こうやなって思っていても、「こんな事もあったよ。」と言われて、発見がある。この子の事を私1人が喜ぶのではなく、仲間と一緒に喜び合える、そういうのって子どもにとっても、親にとっても楽しいと思うんです。(p.113)

20周年記念誌を読んでいると、「母ちゃんたち」の存在感はババーンとあるものの、子どもの「父ちゃんたち」の姿がほとんど見えず、どうなってんのやろう?やはり大黒柱は父ちゃんたち?その父ちゃんたちは、子どもをしっかり見て、楽しみを発見してるのかな?と思っていた。

で、さいしょの6年をまとめた『街をこどもたちのジャングルに』も読んでみると、こちらは父ちゃんたちの姿があちらこちらにあり、「ジャングルえにっき」というのをいっぱいかいてる父ちゃんの、その絵日記には思わず(ぶふふー)と笑ってしまうのであった。

これは、20周年誌とさいしょの6年誌と、一緒に読んだほうがいいなあと思った。

そんな大人たちの間で、子どもは子どもの中で育つ。

◆この冊子は、ジャングルようちえんから買えます
20周年誌が1000円、誕生から6年までが1400円
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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