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読んだり、書いたり、編んだり 

時が滲む朝(揚 逸)

これも一週間くらい前に読んだ本。

時が滲む朝時が滲む朝
(2008/07)
楊 逸

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図書館でぶらぶら~っとしていたら、目について、(たしか、これは前の芥川賞の作品だったような)と興味をもち、薄い本でもあったし、借りてみる。

青春時代の学生運動。そのときのそのことを、どううけとめてその後を生きたかは、人それぞれだろう。日本でも、安保闘争や大学紛争のあとに、長い髪を切って、スーツを着て、大企業に就職していった人は、歌の歌詞にもなっているようにたぶんたくさんいる。一方で、当時の活動を心にとどめて生きている人もいる。(この方面の話は、たまに父が語るのである。)
主人公の浩遠(ハウユェン)は、青臭いと言われようと、自分の主義主張をずっと持ち続けた人として書かれている。1988年に大学へ入った浩遠と志強(ツェーチャン)は、若い教授や同じキャンパスの学生たちとともに民主化運動に参加していく。そしてあの天安門事件。

私も1988年に大学に入ったから、天安門事件のことはよくおぼえている。留学生を中心とした抗議声明や署名活動を、近いところで見聞きした。(ということは、この小説の主人公は私とほぼ同い年ということか!)

『時が滲む朝』を読んでみて、中国の、とりわけ学生運動に熱心に参加した大学生たちにとって、天安門事件は、日本でいえば、大学紛争とその挫折のようなものだったのだろうと思った。

浩遠は、天安門事件のあとに傷害事件をおこし、退学処分となり、結婚したのちに日本へ渡って、家族をもっている。日本で暮らすなかでもずっと「祖国の民主化」を考えている浩遠。

ラスト、浩遠が息子の民生(たみお)に日本語で言ったことばが印象に残る。

▼「ふるさとはね、自分の生まれたところ、そして死ぬところです。お父さんやお母さんや兄弟たちのいる、温かい家ですよ」(p.150)
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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