FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

『群像』 2014年9月号

群像 2014年9月号群像 2014年9月号
(2014/08/07)


商品詳細を見る

こないだ芥川賞をとった作のことが、シングルマザー云々とどこかに書いてあって、どんな話なんやろうと、初出の掲載誌を図書館で借りてくる。受賞作はすでに本になっているが、複本4冊に数十人の予約がついている。芥川賞と直木賞の違いなのか、直木賞の受賞作は複本20冊に数百人の予約待ちである。

巻頭掲載の小説(これが芥川賞受賞作)のほか、以下のようなものを読む。

・小野正嗣 「九年前の祈り」
・野崎歓×鴻巣友季子×谷崎由依「名〈迷〉訳のレッスン 群像的文体練習II」
・朝比奈あすか「ザビエルが欲しい」
・穂村弘「現代短歌ノート 54 ごきぶりの歌」

ドミトリーともきんす(高野文子)

ドミトリーともきんすドミトリーともきんす
(2014/09/24)
高野文子

商品詳細を見る

「ブックマーク」83号でも紹介されていた漫画を、図書館でちょっと待って借りてくる。

お母さんの「科学の本棚」に並ぶ懐かしい名前は、朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹。100に近いくらい上の人たちだけれど、「会ってみたかったな」とつぶやくお母さん。「ただ、とっても偉い人達だから、お母さんは、あがっちゃって何も言えないと思うけれど。」「だけどもしもよ。彼らがまだ世に出る前の若者で、これまた不思議なことに、わたしたちのご近所さんだったとしたなら、」「こんにちは、ごきげんいかが?って、声をかけてみたいわ。」(p.19)

そうして、お母さんの空想はふくらんで、娘に語りかける。「たとえばあなたとわたしが、小さな下宿屋さんをまかなっていたとしてみましょう。」「お二階には科学の勉強をする学生さんたちが住んでいます。」(p.20)

「みなさーん。コーヒーがはいりましたよーっ」(p.20)と声をかけると、4人がトントントントンと階段を降りてくるのが聞こえてくる。

▼ふしぎだと思うこと これが科学の芽です。
 よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の茎です。
 そうして最後になぞがとける これが科学の花です
                              朝永振一郎

声を聴かせて(朝比奈あすか)

声を聴かせて(朝比奈あすか)声を聴かせて
(2014/01/09)
朝比奈あすか

商品詳細を見る

表題作と「ちいさな甲羅」の2編収録。

「ちいさな甲羅」は息をつめて読むような感じで、ちょっとキツかった。幼稚園で息子が他の子にかみついたことを知って、同じ幼稚園に子どもを通わせる近所の母親たちにどんな文面でメールを送るか、どう書けばうまくことがおさめられるかと栄子が思案するところは、これがいまの"リアル"なんやろうかと思ったり。

だが、そんな"努力"もむなしく、母親たちのメールが行き交う関係から、栄子ははずれてしまい、自分が幼稚園へいけなくなってしまう。こういうふうな親どうしのビミョウな関係が、子どもの関係にもうつしだされているようだった。わが子に「どうしてそんなことするの!」と怒りをおぼえる栄子の姿に似たものが、現実にも結構あるんちゃうかと思えて、こわかった。

神戸新聞の100日―阪神大震災、地域ジャーナリズムの戦い(神戸新聞社)

神戸新聞の100日―阪神大震災、地域ジャーナリズムの戦い(神戸新聞社)神戸新聞の100日
阪神大震災、地域ジャーナリズムの戦い

(1995/11)
神戸新聞社

商品詳細を見る

阪神大震災から20年…ということもあり、当時の記録本を読む。小松左京の『大震災 '95』でも、田辺聖子の『ナンギやけれど… わたしの震災記』でも言及されていたのが、神戸新聞※の論説委員長であった三木康弘さんの社説「被災者になって分かったこと」。

この地元紙の被災後100日の記録を借りてくる。単行本は1995年の11月末に出ている(1999年に文庫になった際に、「被災地の1826日」が収録されているそうだ)。

震災で神戸新聞は本社の新聞会館が全壊、コンピューターによる紙面制作システムが壊滅したが、たまたま前年に京都新聞と結んでいた「緊急事態発生時における新聞発行援助協定」により、全面的な協力を受けて新聞発行を続けた。

社長の荒川は「何としても新聞を出せ。後は心配するな」(p.62)と言った。神戸新聞はそれまで、休刊のピンチが二度あった。1918年(大正7年)米騒動による焼き打ちに遭ったとき、そして1945年3月17日の空襲によって本社屋が焼失したときである。だがそのときも、新聞発行は途切れなかった。

95年の震災時は三度目のピンチだったが、1月17日も京都新聞の協力で製作した夕刊フィルムをバイクで運び、無事だった神戸の輪転工場で印刷して夕刊を発行した。

からくさ図書館来客簿 第二集 冥官・小野篁と陽春の道なしたち(仲町六絵)

からくさ図書館来客簿 第二集 冥官・小野篁と陽春の道なしたちからくさ図書館来客簿 第二集 
冥官・小野篁と陽春の道なしたち

(2014/03/25)
仲町六絵

商品詳細を見る

これの第一集を読んだあと、第二集、第三集を予約。カバー装画や口絵に描かれている人物像は、私が字から読むイメージとはやはり違うのだが、それはそれとして。

ちょうど第一集で「小野篁」の名前をおぼえていたら、(こないだ伊丹市美で外骨展を見て読んでみたくなって)別に借りてきた宮武外骨の『筆禍史』(復刻版)や、外骨の甥による『宮武外骨伝』で、小野篁の名前が出てきた。『筆禍史』は、中古時代の筆禍者として冒頭に小野篁の名をあげているのだった。

その部分を外骨の本から引くとこんな具合。
▲小野 篁 仁明天皇の承和四年、小野篁が遣唐使の乗用船につきて、藤原常嗣と争ひたる時「篁忿恙して曰く、朝議定らず、其言を二三にするやと、遂に病篤しと称して復た船に乗らず、西道謡を作りて遣唐の事をそしり、多く忌諱を犯す、嵯峨上皇之を見て大に怒り、其罪を論ぜしむ、仁明帝因つて其官職を免じて庶人となし隠岐に流竄す」といへる事これなり (宮武外骨『筆禍史』、p.2)※

あらあらかしこ(木村治美)

あらあらかしこ(木村治美)あらあらかしこ
(1982/10)
木村治美

商品詳細を見る

「ブックマーク」83号掲載のPさん(このミニコミを始めた人)の古文書に出てくる本を探して、こないだは『主婦の天気図』を読んでみたが、ハズレだった。

図書館に所蔵のある本をいろいろ調べて候補をしぼりこみ、まずこの『あらあらかしこ』を取り寄せてみたら、これがアタリだった。

Pさんが引用していたのは、167~170ページの「時はすぎゆく」という文章の一部。Pさんが引いた以外のところに、こんなことも書いてある。

▼日常生活の中で、だれでも経験していること、ドラマチックなことは何も起こらない主婦の心のなかのこと、こんなことが小説のテーマになるなどと思われないことを、バージニア/ウルフは、その繊細な感受性ですくいあげ、描き出してみせてくれるのです。(p.169)

▼私には、ウルフの才能も学識もないけれど、それゆえに、主婦の資格は増しているかもしれません。主婦という平凡な人間の、日常という平凡な生活のなかにある心のドラマを、ある新聞の連載というかたちで、一年三ヵ月書き続けてきました。主婦の喜怒哀楽をていねいに見つめて、正確に描くことが願いでした。(p.170)

この、一年三ヵ月連載した…というのが、私がこないだ読んだ『主婦の天気図』らしい。そして、「時はすぎゆく」は、バージニア・ウルフの小説の話から書き出されているのだ。

ほんのミニコミ「ブックマーク」83号ができました

ほんのミニコミ「ブックマーク」83号半年ぶりに、ほんのミニコミ「ブックマーク」83号ができました。

このミニコミのメインは、読者による「読んだ本・おすすめ本・これから読みたい本」のアンケート。こんどの号も、28ページ。A5判のリソグラフ刷りです。

ここ数年ずっと、2月と8月の"ニッパチ"発行でしたが、曜日の関係で今号の発送は3月になりました。定期購読の方には、3/1(日)に投函しています。読んでみたい方には、見本誌を送ります。ご希望の方は、送り先をご連絡ください。

編集発行=レター&ピース
letter_peace(at)yahoo.co.jp
Genre : 日記 日記
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ