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読んだり、書いたり、編んだり 

「本が売れない」というけれど(永江朗)

「本が売れない」というけれど「本が売れない」というけれど
(2014/11/04)
永江朗

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新聞でちょろっと紹介されていて、図書館にすでに入っていたので借りてきて読んでみる。

この本のタイトルの文句にすでに著者の思うところが込められているなーと思ったが、中も「読書ばなれ」「活字ばなれ」と言われるけれども、その「中身」を腑分けしていくと、いろんなものが見えてくる、という話が、さまざまなデータも示して書かれている。感覚でなんとなくこうだろうと言われていることを必ずしもそうじゃないのだときっちり見ている。著者のことばを借りれば「「読書ばなれ」と「出版不況」のあいだにはねじれがある」(p.69)のだ。

「読書ばなれ」は起きていないが、本を読むという体験が多様化したために、新刊が売れない「出版不況」となっている面があるし、「出版不況」のおおもとは「雑誌不況」であって、出版界が景気回復をめざすなら、読書推進よりも「もっと雑誌を読もう、もっと漫画を読もう」という推進運動をしたほうがよいのではないか、と著者は指摘する。

そして、本に対する感覚がじわじわと変化してきたことを著者は、「いってみれば本は「所有」するものから「体験」するもの、あるいは「消費」するものに変わった。物体として所有するのではなく、読むことを体験し、情報として消費するのだ」(p.80)と表現する。

女のからだ―フェミニズム以後(荻野美穂)

女のからだ―フェミニズム以後女のからだ―フェミニズム以後
(2014/03/21)
荻野美穂

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コンパクトな新書に、かなりいろいろ入ってる感じの本。「女の健康運動の歴史における重要な節目は1969年だろう」(p.18)とあり、この年、アメリカ各地で同時多発的に運動が始まったという。日本では『からだ・私たち自身』というタイトルで訳本が出たOBOS(Our Bodies,Ourselves)の物語も1969年に始まるそうだ。私がうまれた年である。日本ではこの翌年の1970年が「ウーマン・リブ元年」とされているそうだ。

私が大学に入った年、1988年に出た『からだ・私たち自身』は、ものすごく分厚くて、高かったが、私も買ってあちこちずいぶん読んだし(どうやりくりしてこんな高い本を買ったんやろ…)、この新書で書かれている話は、知っていたこともけっこう多かった。

でも、知らんかったなーということもあって、たとえば1962年のシェリ・フィンクバイン事件(pp.21-22あたり)、伝説の中絶地下組織「ジェーン」のこと(pp.55-64あたり)、薬害や医療被害者たちのねばり強い交渉の末に、レセプトやカルテの明治、明細のわかる領収証の発行などが実現したこと(pp168-169あたり)など。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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