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読んだり、書いたり、編んだり 

愛と暴力の戦後とその後(赤坂真理)

愛と暴力の戦後とその後愛と暴力の戦後とその後
(2014/05/16)
赤坂真理

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父から「読むか」とまわってきた本。この人の『東京プリズン』も本屋で見たことがあるが、あれは小説なのらしい。

まえがきにはこうある。
▼これは、研究者ではない一人のごく普通の日本人が、自国の近現代史を知ろうともがいた一つの記録である。
 それがあまりにわからなかったし、教えられもしなかったから。…(略)

 これは、一つの問いの書である。
 問い自体、新しく立てなければいけないのではと、思った一人の普通の日本人の、その過程の記録である。(p.3)

"普通の日本人"て、どんなんかなーといきなり思いつつ、この本で書かれている「戦後とその後」については、そうやったんか!と思うところもあり、それは知ってるわと思うところもあり、10歳からの「戦後とその後」をリアルタイムで生きてきた父は、読んで何を思ったんやろと考えた。

それと、著者は正直で率直な人だと思った。私は知らない、私はわからない、ということを、知らない、わからないと書き、それを知ろうとし、わかろうとする人なのだ。

日本国憲法を生んだ密室の九日間(鈴木昭典)

日本国憲法を生んだ密室の九日間日本国憲法を生んだ密室の九日間
(2014/07/25)
鈴木昭典

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図書館の新着棚でしばらく前に見かけて、予約本のスキマに借りてきて読む。テレビドキュメンタリー「日本国憲法を生んだ密室の九日間」(朝日放送、1993年2月5日放映)※の取材をもとに書かれた本で、親本は1995年のもの。19年後に文庫化。

「密室の九日間」とは、GHQの民政局で極秘裏に日本国憲法の草案が作成された九日間(1946年2月4日~12日)を指す。この短期間で草案作成が急がれた背景には、「天皇を戦犯にしろと主張する国々に代表を含め他極東委員会が、二月末に発足するというタイム・スケジュールがあった」(p.5)からで、さらにいえば日本政府が出してきた憲法草案があまりにも保守的に過ぎたからである。

この番組のための事前調査の段階で、日本国憲法を執筆したメンバー25人のうち、7人が健在。うち6人と、その周辺の人びとにインタビューしている。ドキュメンタリーの取材と監修は五十旗頭真(当時、神戸大学教授)で、番組の締めの言葉として、こう語っているという。

▼「明治憲法は、伊藤博文はじめ、当時としてはそうそうたるメンバーを揃え、しかも長時間をかけて作られた。にもかかわらず、さまざまな問題を残した。松本案の内容から考えてみても、九日間で書かれたこの憲法が、その作成期間の短さをもって批判されることがあってはならない」(p.6)

週刊 金曜日 2014年 11/21号(特集:非正規労働者2000万人時代)

週刊 金曜日 2014年 11/21号 非正規労働者2000万人時代週刊 金曜日
2014年 11/21号
非正規労働者2000万人時代

(2014/11/21)

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どこかで(それがどこだったのか思い出せず…)、この非正規労働者の特集のことを読み、久しぶりにバックナンバーを図書館で借りてくる。私は日刊紙も読んでいるが、(週刊金曜日の部数がどれくらいなのか十分知らないものの)そういう大きなメディアではほとんど全く出てこないような切り口やテーマやなあと思う。

特定秘密保護法のことなんかとくに(「短期連載 特定秘密保護シミュレーション」というのも載っている)。

井田真木子 著作撰集(井田真木子) その1:プロレス少女伝説

井田真木子 著作撰集井田真木子 著作撰集
(2014/07/19)
井田真木子

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図書館の新着棚で見かけてから、予約本をやりくりして、借りてきて読む。2段組で字が小さくて、600ページ近くあるので、ちょっとずつちょっとずつ読んだ(「プロレス少女伝説」と「同性愛者たち」、「かくしてバンドは鳴りやまず」と単行本として出たものがまるまる入っているほかに、未収録の短編やエッセイが収められているのだから、結構なボリュームである)。

井田真木子さんの作は『同性愛者たち』を読んだことがあり、若く して亡くなったことが記憶にあった。読んでみると、なんと44歳で亡くなっていて、今の私よりも若い。

■「プロレス少女伝説」
著作撰集のいちばん最初に収録されているのが「プロレス少女伝説」。これは一度読んでみたいと思っていた。読みはじめたら、すごーくおもしろい。

春に読んだ、柳澤健の『1985年のクラッシュ・ギャルズ』の文庫は、本屋で「あとがき」をちらっと見たら井田真木子さんの名前が出てきて、それで買ったのだった。プロレスをろくに知らない私にはへぇぇーと思うところの多い柳澤本だったが、それともまた違う、井田さんの描く女子プロレス。

2014春の帽子

写真の整理。しばらく休養していた春に編んだ帽子。
Genre : 日記 日記

言論抑圧─矢内原事件の構図(将基面貴巳)

言論抑圧─矢内原事件の構図言論抑圧─矢内原事件の構図
(2014/09/24)
将基面貴巳

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本が出た頃に、本屋の店頭で気になって、(図書館に入るのを待てず)買ってきて読む。父が読むというので、貸す前にメモ。

1937年の「矢内原事件」が、なぜどのようにして発生したのか、その事件はいかなる出来事として当時の日本社会において理解されたのかを、マイクロヒストリーの手法で明らかにしようとした本。

マイクロヒストリーは、「一見、取るに足りない出来事の詳細に光を当てる歴史学の分野」(p.10)だそうである。
▼本書が、矢内原事件を仔細に解剖することで摘出しようとしている思想的問題はふたつある。その第一は愛国心の問題であり、第二は学問の自由と大学の自治という論点である。…(略)…
 これに加えて第三の問題として取り上げたいのは、あるひとつの過去の事件を、相対的に大きな歴史的流れの中に位置づけて捉える場合と、その事件がその当事者にとってどのように理解されていたかを歴史的に再構成する場合との間に生じる認識のズレである。(p.13)

著者も指摘するように、矢内原事件は一般に「戦前・戦中の当局による言論抑圧(ことに帝大粛清運動)の一環として、近代日本史の暗黒面を象徴するものとされている」(p.4)

だが、著者が当時の言論を詳しく調べて論じるところによれば、矢内原事件は「必ずしも学問の自由や大学の自治に対する侵害という意味での言論抑圧事件としては認識されていなかった」(pp.210-211)。そのように認識していた当事者は、東京帝大総長であった長与又郎くらいであったという。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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